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第4章 堅実な生活

第1節 絆の強い社会

 人口の社会移動が少なく、家族は大きく、地縁社会の繋がりも強い。こうした中で、互いに支え合う生活を残しており、規範の縛りが強い面も見られる。
 しかし、一方では、世帯規模の縮小が急速に進展し、安定した社会システムが崩れつつある。

第1項 大きな世帯(世帯規模世帯の縮小)
 富山県は、世帯規模が大きく、三世代同居も多い。
 しかし、急速な縮小を続けており、不安定化し始めている。

第2項 高い世帯所得(世帯所得所得格差世帯資産)
 世帯規模が大きく、所得水準は全国でも高く、所得分布の平準度も高い。
 しかし、富山県でも、世帯間の格差が次第に拡大している。

第3項 豊かな消費生活(消費支出耐久消費財)
 富山県民は、大きな所得によって豊かな消費生活を送っている。
 しかし、エネルギー多消費型となっているなど課題がある。

第4項 強い繋がりの地域社会(地域社会の紐帯地域社会の変化)
 地域社会で共にする行動は盛んである。これと共に、規範の強さも見られる。
 しかし、こうした繋がりも次第に崩れてきているが、新しい社会への対応が遅れている懸念がある。


 家族、地域社会のあり方が大きく変化してきている。自らがどのような家族を形成し、地域社会でどう行動するかは各自の選択であろう。多くの人は、現在の家族・地域社会の変化の趨勢を肯定的に捉えているようである。
 しかし、大きな家族の中での支え合いは、これまでの富山の豊かさの重要な基盤であり、これが変化していくことを真摯に受け止めておく必要がある。これまで、家族・地域社会の中で担われてきた機能をどう充足し、各自の生活の安定をどう確保していくか。各自がそれぞれ備えるとともに、新たな社会制度の形成が求められる。この意味で家族・地域社会の変容は、生活の多くの分野に大きな課題を投げかけている。


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(Apr.10,2015Rev.)