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第2章 富山の舞台

第2節 人口動態の転換

 地域社会を考える基礎として人口動態について検討する。
 富山県では、1999年に総人口が横這いから減少局面に入った。その後、減少を次第に加速し、2020年代前半での減少幅は、年当たり1万人になろうとしている。
 本節の個別の記述については、執筆年月に配慮して頂きたい。

 日本のみならず地球全体でも人口減少に転じていくことは間違いない。
 地球温暖化に鑑みれば、むしろ人口減少は活動の鎮静化のために好ましい。大切なのは、人口の減少に対応した、経済社会を構築していくことである。このためには、拡大を良しとする価値観を改めていく必要があり、地域なりに議論を起していくことも大切であろう。

第1項 富山人の由来
 富山県人は、他地域に比べて、弥生人の血が濃いようである。

第2項 人口総数(国勢調査)
 総人口は、減少速度を増し、2020年代半ばには百万人を割る。

第3項 年齢構成
 '20年代前半に、団塊の世代は後期高齢者(75歳以上)となり、人口の高齢化比率(65歳以上比率)は、1/3を超えようとしている。

第4項 人口変動
 人口動態を理解する基礎として、戦後の団塊の世代の誕生から始まった25年周期の人口ウェーブを知る必要がある。

第5項 自然動態
 '20年代前半では、合計特殊出生率が低水準横ばいで推移しており、団塊孫世代が出産年齢期に差し掛かるため、年々の出生数の減少は若干緩和されよう。
 他方、高齢者の増加ともあいまって死亡数が急速に増加している。
 これらの結果、人口の自然動態については、減少を加速している。

第6項 社会動態
 '20年代前半では、東京一極集中が再燃しているが、コロナ禍のなかで動向が見通せなくなっている。富山県では、若干の人口流出基調が続いている。

第7項 将来人口
 富山県の人口は、年々の減少幅が拡大しており、'20年代半ばには100万人を割り、さらに'30年半ばには90万人に近づくとみられる。

第8項 外国人
 外国人の増減は、我が国の景気動向と連動しているが、'20年代前半はコロナ禍で動向が見通せなくなっている。

 世界の先進国では出生率の低下があり、我が国も後を追ったが、それが理解されるまでに長期間を要した。
 この結果、年金制度等を始めとして、人口総数、年齢構成の変動に対する社会体制の整備は極めて遅れている。また、出生率低下の背景にある個々人の家族等に関する考え方の変化に対応した新しい社会のあり方についても基本的な考察がなされていない。
 富山の豊かさの重要な背景として、大きめの家族による支え合いがあった。今後、どのような社会を形成していくのか富山なりの考え方があってよいだろう。
 他方、外国人の増加については、極めてなし崩し的に事態が進んでいる。我々日本人は、外国人と共生する覚悟を殆どしていない。


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(Feb.18,2022Rev.)