第2章 富山の舞台第3節 経済構造の変革富山県の諸活動を考える基礎として、「県民経済計算(県民所得統計)」を中心に、その経済構造について検討する。統計発表の時期や当方との対応の遅れ等によって、記述の基礎となる統計の年次が不揃いとなっていることに留意してください。 すでに格差の厳しい社会になっており、経済成長より配分が課題である。 また、財政の限界には、けじめを付けた資源配分の転換を図っていく必要がある。 地球温暖化に対しては、経済活動を鎮静化せざるを得ない。このため、今後は、日本全体さらには世界全体での生産の分け合いを円滑に行っていくことが課題である。生産の拡大がない中での配分の変更は厳しいが、避けられない。 行政の借金はどこまで可能なのか。負債を国外に頼らない限り許容されるのだろうか。日銀引き受け債権の帳消しなどできるのだろうか。としても、経済に困難を招くことは間違いなく、財政配分の転換を明確な意図をもって進めていく必要がある。 中央集権の財政構造の下で、配分を拒否することは難しいが、地方の取り合いは改めていく必要がある。国から一層多くを引き出すだけでなく、富山なりの見識ある行動はないのだろうか。 第1項 所得勘定の枠組み 県民所得統計は、国民所得統計の体系に準拠した勘定体系を定義し、各種の統計指標を用いて推計されている。 第2項 部門別所得循環 企業の生産活動によって生み出される付加価値額が、家計と企業に分配されるとともに政府活動によって必要な分配調整が行われ、家計・企業・政府それぞれが消費・投資を行う。 第3項 富山県の位置 富山県の1人当たり県民所得は都道府県の中でも大きい。 第4項 近年の動向 2008年度・2009年度にリーマンショックがあり、各種指標の長期的趨勢と景気後退による落込み・回復の動向が重なっている。単に一定期間の両端の統計値の変化を比較するだけでな、その間の変化の過程を同時に見て、構造の長期的変化を把握することが必要である。 第5項 地球温暖化と経済活動 温暖化ガスの排出を伴う経済活動の縮小を図っていかざるを得ない。 第6項 富山県の財政運営 現在、県債残高の積み増しは、抑制しつつあるが、景気浮揚の要請と社会保障費等の増加の中で、厳しい財政運営となっている。
(Jun.30,2024Rev./May.04,2015Rev.) |