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第2章 富山の舞台
第2節 人口動態の転換
第7項 将来人口 ―4割を超える高齢化比率―
2024年4月、社会保障人口問題研究所は、都道府県・市町村の将来推計人口を発表した。これは、5年間隔で推計・発表されているものである。
内容的には、これまでの推計と軌を一にしており、5年間延長し、2050年まで推計したものとなっている。
⇒人口推計モデル
(1) 総人口
富山県の総人口については、2020年の1,035千人から、2050年には26%減少し762千人になるとしている。
2020年を基準として2050年に全国では83.0%、東京都のみが増加で102.5%、沖縄は94.8%、最も小さい青森では61.0%となっている。
富山は、小さい方から21番目となっている。
人口の減少率を地域別にみると、東北地方や高知などの減少が特に大きくなっている。
減少が少ないのは、東京を中心とした1都3県、愛知、滋賀、福岡そして沖縄などとなっている。国全体での一極集中、各地方での中枢都市所在県集中が目立っているといえよう。
高齢化比率の推移について全国・北陸3県を見ると、当面の富山の率の伸びが極めて大きい。これは、2010年代は団塊の世代が高齢人口に入る期間であり、富山で特に団塊の世代の比率が特に大きいためである。
これと同じように、2030年代後半に団塊ジュニア世代が高齢者となり高齢化比率が再び急速に上がり、2050年には41.4%になるととている。
(2) 年齢構成
各都道府県の年齢階層3区分の構成比の推移をみると、若年人口比率は当面漸減し2030年代に至って横ばいとなっている。
労働力年齢人口は2010年代後半から横ばい気味となるが、2030年代に入って再び減少が目立つようになっていく。
高齢人口は当面の急増の後、漸増となるが、2030年代後半に再び急増する。
2050年の高齢人口比率を地域別にみると東北、四国、北海道等で高く、逆に沖縄・愛知・滋賀・東京等で低い。
(3) 将来人口の捉え方
現在、人口減少の抑制について盛んに議論されているが、これをどう捉えればいいのか。
子供を産み育てやすい環境
まず、子供を産み育てやすい環境が整備されることは、当然必要である。
このため、社会全体で育てていく体制を整備していかなければならない。
人口の実際の趨勢
しかし、今日の人口の年齢別構成、そして合計特殊出生率の変化を見ると、今後とも減少が続き、その減少幅が年毎に拡大していくことは間違いない。
多様な政策によって人口数を操作できるか疑問も多い。
むしろ、人口変化をしっかりと受け止め、それに沿った諸施策を展開していくことが必要であろう。社会保障制度、各種の基盤施設、その他多くのことについて再検討が求められている。
外国からの人の流入を求めることについても、その是非を真摯に考えてみる必要がある。
環境変化の中での人口の在り方
さらに、地球温暖化に伴う混乱の中での人口の在り方を考えると、食糧自給の可能性、海進による居住地の減少があり、人口を極力削減していく必要性も考えられる。
また、今後、子供が、こうした状況の中で生きていくことを考えると、子供を産まないことを積極的に選択することもあり得よう。
⇒富山県民総合計画での人口推計(1981年)
⇒過去の国による人口予測
⇒地方創生での人口ビジョン
(統計データ)
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(Jun.10,2024Rev./Mar.28,2013)
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