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第2章 富山の舞台
第2節 人口動態の転換
第2項 人口総数 ―国勢調査―
(1) 富山県の人口規模
2020年国勢調査では、富山県の総人口は1,035千人であり、全国総人口126,046千人の0.82%であった。都道府県の中では37番目(昇順で11番目)の大きさである。
全国の中での富山県のウエイトは、かつて1970年頃は1%であったが、1990年頃には0.9%、そして現在0.8%と低下している。
都道府県毎の人口規模は、極めて差が大きく、東京都が14百万人で全体の11%を超えており、次いで5百万人超が8道府県、2百万人超が7府県、1.5百万人超が8県、1百万人超が13県、0.8百万人超が5県、これ以下が8県となっている。最小は鳥取の55万人である。
また、富山県の1,035千人に対して、石川県は1,133千人で約98千人人多く、福井県は767千人で268千人少ない。
(2) 富山県の人口変動
人口の変動 |
| 2005年 (人) | 2010年 (人) | 2015年 (人) | 2020年 (人) | 2005-2010年 | 2010-2015年 | 2015-2020年 |
増減数(人) | 増減率(%) | 増減数(人) | 増減率(%) | 増減数(人) | 増減率(%) |
富山県 | 1,111,729 | 1,093,247 | 1,066,883 | 1,034,814 | -18,482 | -1.66% | -23,364 | -2.41% | -32,069 | -3.01% |
全国 | 127,767,994 | 128,057,352 | 127,110,047 | 126,146,099 | 289,358 | 0.23% | -947,305 | -0.74% | -963,948 | -0.76%
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国勢調査(2020年)の結果では、富山県の総人口は、1,034,814人であり、前回の国勢調査(2015年)からは、32,069人、3.01%減となり、減少が加速している。この趨勢では次回の調査では100万人を割ることとなろう。
全国についても、国勢調査の2010-2015年の間で人口減少が始まっている。ちなみに減少率の小幅の変化は、外国人の増加によるものである。
この5カ年間での都道府県別の人口の増減では、減少は38道府県となり、増加は9都府県に留まっている。
富山の2.4%減少は、47都道府県の中で減少の大きい方から19番目であり、ほぼ中間的な位置にある。
下図は、横軸に2015年時点での人口、縦軸に5カ年間の人口増減率をとったもので、矩形の面積は人口増減数に比例している。
人口の増加は、ほぼ大都市圏に限定されており、特に、東京圏への集中が著しい。 近畿圏では、大阪府が増加に転じたとともに、滋賀県で引き続き増加している。
また、沖縄県が例外的に増加している。
他方、減少地域については、秋田県、青森県、岩手県の北東北地方での減少が目立つ。
なお、宮城県や広島県などの地方中枢都市所在県でも減少となっている。
北陸3県の人口については、1976年に石川県が富山県を上回っている。これは金沢市には国の支分部局がいろいろとあり、いわば準地方拠点都市の役割を持ち、全国の人口極集中の表れと言えよう。
(統計データ)
(3) 市町村の人口変動
富山県内市町村での人口の増減については、舟橋村が若干増加したのみで、他の市町では全て減少している。 今回の国勢調査では富山市も減少に転じている。
砺波市、射水市の減少が相対的に小さいのは、周辺の市からの人口流入があるためである。県境及びその近くにある朝日町、入善町、氷見市、南砺市、小矢部市などの人口減少が大きい。
これらの変化については、富山県なりの人口の中央集中が起こっているといえよう。
ちなみに、市町村合併以前の2000年の区域で2010年〜2015年の人口の変動を表示すると、富山市では婦中、射水市では小杉、大島で人口が増加している。これらは、富山(旧)に向かって人口集中が進み、実際にはその周辺地域に張り付いていることを示している。
(統計データ)
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(Feb.18,2022Rev./Feb.20,2015ReEd.)
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