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第5章 ゆとりある郷土

第3節 交通

 域内交通については、自動車交通と公共交通の調和が大きな課題である。
 また、県外との広域交通についても、鉄道、道路、空港、港湾それぞれが課題を抱えている。

第1項 交通量
 近接地は自動車、遠隔地は公共交通が選好されている。

第2項 道路
 富山県の道路は、極めてよく整備されている。しかし、今後の環境変化の中で、自動車社会をどう捉え、道路をどう整備し維持していくか大きな課題となっている。

第3項 鉄道・バス
 自動車社会の中で鉄道・バスの需要は大きく減少してきた。また、新幹線の開業もあり、鉄道を取り巻く環境が大きく変化しつつある。
 こうした中で、富山市では路面鉄道の南北接続の動きなどもあるが、鉄道・バスの公共交通をどう捉え、どう整備・維持していくか困難な課題となっている。

第4項 空港
 新幹線の開業の中で利用の太宗を占める東京便が大幅に減少しており、また韓国便も危うく、今後の空港経営が困難な局面に立たされている。
 さらに地球温暖化にいかに配慮していくかも厳しい課題である。

第5項 港湾
 富山県の港湾の利用は、木材、石油関連貨物、石炭、自動車(中古)が太宗を占めてきた。これらの貨物は、産業構造の変化の中で大きく変化している。こうした動きに対応した基盤の整備を見定めていく必要がある。


 分散居住社会で自動車の利用は欠かせない。しかし、際限のない利用の拡大は、交通弱者の生活の貧困化を始めとする多くの問題を噴出させている。この結果、当座は一見便利でありながら、長期的に見れば、不便で、貧弱な地域社会の形成が進んでいる。
 欧米の幾つかの都市で公共交通のあり方の再検討、再構築が進められているが、富山においても急務である。
 広域交通については、その必要性はいうまでもないが、広義の採算性を検討しつつ、厳しく選択していくことが求められている。


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(Nov.14,2019Rev.)