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参考 地域創りの理念

第2節 行動原理 ―正しく生きる―

 我が国の現下の政治は、正しく考え、判断し、行動していくことを蔑ろにしがちであり、また昨今のポピュリズムなどは考えること自体を放棄している。個々人が勝手にとる判断、行動はともかく、地域創りを検討するには、正しさ、整合性のあるシナリオを前提にしなければならない。
 勿論、正しいことについての意見の一致があるわけではないが、各自なりに整合性のある判断を表明し、各自なりに行動するほかはない。

第1項 人生の目的
 人の生に目的はあるのか


第2項 倫理
 正しさを考える
 モラルファンデーション ―倫理の基礎―
 正義論 ―政治哲学の広がり―
 経済活動の基礎 ―経済倫理の再検討―


第3項 社会の構想
 一定の倫理の下でどのような社会が構想されるか
 競争と優しさと
 二軸への懐疑
 差異と平等

第4項 規範と行動
 構想された社会の中でどのよに行動するか
 社会規範と行動
 生き方の転換


補足 拮抗する価値


 根元的道徳感情(モラルファンデーション)として、「個人の尊厳」を強く求める人と「義務などへの拘束」を強く求める人がいることは事実であろう。そして、今日、我が国では「義務などへの拘束」の主張が強くなっているようである。しかし、国際化社会の中で、地域として守るべきことを前面に出すと多様な危うさが顕れてくる。
 これに対して「個人の尊厳」を強く主張すると、国・地域としてのまとまりが蔑ろにされ、その存続が危うくなっていく。
 このため、「個人の尊厳」を主張しつつ、自律的に「共生する生き方」を指向する必要があるのではなかろうか。これは極めて保ちにくい姿勢であるが、「個人の尊厳」を指向して無秩序な社会を形成することはできない。


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(Feb.22,2016)