エンジン出力アップの基本

エンジン出力アップの基本

Engine-Complete


01.高出力エンジンは、どうやって製作されるのか。

車両のエンジンは多くの場合4サイクルエンジンです。4サイクルエンジンとは吸入→圧縮→燃焼→排気をおこなうエンジンのことですが、市販車両の多くはメーカーでエンジン設計をおこなう工程でエンジンスペック(最大出力や出力特性)を設定しており、その最大値に合わせて部品に使用する強度や材質などを含め、計算したうえで市販化されています。
 エンジン設計上のスペックを超えた高出力エンジンへ進化させるには、基本要素となる3つの要件をすべて向上させていきます。
 

  1. エンジン回転数を上げ単位時間内に吸い込む回数を増やすこと。
  2. 慣性過給効率を向上させること。
  3. 吸入する空気の密度を上げること。

高回転化する。

時間を軸に考え1分間(rpm)にエンジンに入る空気量を増やすために、4サイクルで行われる吸排気の回転率を高める方法です。吸入できる空気量はシリンダーサイズなどでエンジン設計時に概ね定められていますので、高回転する速度を高めることで1分間に吸排気する空気量を増やします。エンジン出力(kw)は入ってくる空気、出ていく空気の量と燃焼効率が高ければ生み出すエネルギーも出力向上が見込めます。問題点は高回転化に伴う熱量と、摩耗耐久性の低下などが挙げられます。


充填効率の向上。

シリンダーへの吸気の流れは、エンジンの機械的な仕組みで燃焼する吸気と燃焼が終わった排気の空気とは別に、この空気の動きと一緒に、流れ込む、流れ出るといった慣性での移動が伴います。これはSF映画などで宇宙空間の宇宙船の外殻が破損すると、船内の空気が外に漏れて、その空気と共に人や物が外に流れでていくシーンを見たことはないでしょうか。
エンジン内のシリンダーへの空気の流入、流出といった流れには慣性が起こり、空気の移動に伴ってさらに多くの空気の移動が発生しようとします。その完成で動く空気の流れをコントロールすることで、シリンダー内の吸気量と圧力を調整することが可能です。そこで重要なのがシリンダー内に吸気の流れる時間をコントロールするための蓋となるバルブを、タイミングよく調整する作業で、流入空気の慣性運動が最大になる位置でタイミングよくバルブを閉じたり、開いたりすることで、通常500CCのシリンダー内空気量でも流入量によって、吸気を圧縮し1000CC程の吸入量へ増やすことも可能になる。吸気量が増えれば1回の燃焼で燃える燃料と、空気の量が増えるので発生するエネルギー量も当然大きくなるのです。バルブの吸入側の空気の慣性効率を高める吸気ポート加工や、エンジン内の空気を引っ張るために排気効率の良いマフラーなどはエンジンへの吸排気がスムーズになり慣性の力による充填効率の向上に貢献します。


吸入空気の密度を上げる。

私たちが地上で呼吸を行う際には、肺でおこなっていますが、肺は大気圧から空気を身体に取り込むために1気圧に対応する吸入性能を持っているといえます。その仕組みを使って人間の体は1気圧にて呼吸し、運動量が増えると呼吸数を増やしたり、大きく呼吸し肺を広げることで体内に必要な空気量を増やして、血液中に酸素を取り入れています。車の場合は人間の肺と異なり、決まった容積のシリンダーに吸気を行いますので、1気筒に500CCと設計されれば、大気圧や運動量に関係なく500CCを取り込みます。しかし人間と大きく異なるのは、1気圧以上の圧力で、圧縮した空気をエンジン内に吸気させることが可能な点です。
 たとえば1回の吸気の500CCの空気量を、先述した慣性の力や、タービンなど過給機の力を使って、2倍の1000CCに変えることができれば、一緒に燃やす燃料を2倍に増やすことで、2倍の熱エネルギーを生み出す概算が成り立ちます。高出力はエンジンのシリンダー内に吸気で燃焼させる空気を圧縮し、酸素量を増やして効率よく燃焼させることができれば達成させることが可能になる方法です。


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