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第3章 モノづくり指向の産業

 富山県では、地場で生まれ育った製造業が卓越し、安定した雇用の場がある。
 しかし、日本の産業活動は、経済のグローバル化等の中で、先端的産業と労働集約的産業双方が厳しさを増している。さらに地球環境問題等に関連し、物へのこだわりからの離脱が求められている。

第1節 経済変動
 富山県では、就業人口の比率で、増加し続けていた第二次産業が、バブル崩壊期以降減少しており、産業構造が大きく転換しつつある。

第2節 主要業種概観
 1990年代の後半から就業者の産業構成が大きく変化しつつあり、どのような業種にあっても、それぞれなりの大きな変革に見舞われている。

第3節 事業所
 富山県にある事業所については、製造業では相対的に中規模、大規模のものが多く、卸小売業、建設業等では、小規模のものが多い。

第4節 就業環境
 富山県では、地場で生まれ育った中堅企業を核として、正規雇用比率が高く安定した職が提供されている。
 しかし、雇用の流動化は進みつつあり、同時に所得格差の拡大も進んでいる。

第5節 21世紀産業の構想
 21世紀に生きる富山の産業を大胆に構想し、関係者が共同して事業を展開していく必要がある。

 富山では、江戸時代に蓄積された資産が活かされ、明治維新以来、様々産業基盤が整備され、戦前既に日本海沿岸随一の工業集積を形成していた。戦後は、それらの産業の民需化の中で生まれ育った企業が、今日の地域産業を支えている。しかし、経済活動が一層グローバル化する中で、新しい飛躍が求められている。

 世界に伍して生きていける地域の産業としては、一定分野の中で関連業種が集積した産業クラスタの形成が期待される。例えば富山には、医薬品とそれに関連した、容器・梱包・製薬機械・印刷等々の産業が集積しており、医薬関連産業クラスターの形成がなされている。また、住宅関連産業クラスターの形成も可能かもしれない。こうした産業の発展は、関連事業者の活動の中でアウトソーシングによる繋がりによって形成されていく。
 また、地域に生活する人を支える各種物販、サービスも地域で所得が循環する産業活動となる。小売商業については、全国ベース・北陸ベースのチェーン店が多様な工夫をしつつ事業を展開しているが、地域企業は地域企業なりに生活者を捉え、優れた活動をしていく可能性を持つ。福祉事業にあっても節度を持って効果的な展開をしていくことが可能であるとともに、期待されている。
 さらにこれまで行政支援に頼りがちであった建設業や農業にも自律した産業活動を期待したい。

 他方、それぞれの企業の経営については、各自が成長していける安定した雇用の下で、人々にとって価値のある財サービスの生産を続けていくことが期待される。幸い、富山には地域で生まれ育った企業も多く、それなりの成果をあげている。

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(Oct.29,2020Rev.)