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第3章 モノづくり指向の産業

第5節 21世紀産業の構想
―繋がりあう産業活動―

 経済活動のグローバル化、情報通信技術等の一層の深化、人口の減少と年齢構造の変化、地球温暖化の進行、財政の限界等々の中で、地域の産業構造は大きく変わっていかざるを得ない。


第1項 グローバル社会で生きる産業の形成
 グローバル社会で生きる地域なりの新しい産業集積としては、いわゆる産業クラスターの形成が必要であろう。

第2項 地域生活を支える産業の形成
 県民の生活を支える各種サービス事業を企業化し、地域で所得が循環していく健全な産業を展開していくことも欠かせない。

第3項 既存産業の主体的変革
 多くの既存事業については、経済社会の環境変化をチャンスと捉え主体的変革を遂げていくことが期待される。

第4項 新時代への産業転換
 新時代の多くの困難に対応するためには、新たな経済活動を描き、主体的に対応していく必要がある。

(この内容は章頭の記述と重複しています。)

 世界に伍して生きていける地域の産業としては、一定分野の中で関連業種が集積した産業クラスタの形成が期待される。例えば富山には、医薬品とそれに関連した、容器・梱包・製薬機械・印刷等々の産業が集積しており、医薬関連産業クラスターが形成されている。また、住宅関連産業クラスターの形成も可能かもしれない。こうした産業の発展は、関連事業者の活動の中でアウトソーシングによる繋がりによって形成されていく。
 また、地域に生活する人を支える各種物販、サービスも地域で所得が循環する産業活動となる。小売商業については、全国ベース・北陸ベースのチェーン店が多様な工夫をしつつ事業を展開しているが、地域企業は地域企業なりに生活者を捉え、優れた活動をしていく可能性を持つ。福祉事業にあっても節度を持って効果的な展開をしていくことが可能であるとともに、期待されている。
 さらにこれまで行政支援に頼りがちであった建設業や農業にも自律した産業活動を期待したい。

 他方、それぞれの企業の経営については、各自が成長していける安定した雇用の下で、人々にとって価値のある財サービスの生産を続けていくことが期待される。幸い、富山には地域で生まれ育った企業も多く、それなりの成果をあげている。

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(Apr.04,2016Rev.)