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第5章 ゆとりある郷土
第5節 災害と安全
第3項 環境問題

1.公害―少ない公害苦情―

(1) 苦情件数の推移
(2) 発生源の構成

 かつて富山県はカドミ汚染田もあり公害県とも呼ばれたが、人口当たりの公害苦情件数はかなり少ない。'00年代後半以降しばらく減少し続けていたが、'10年代後半に横ばいから再増加の兆しがある。


(1) 苦情件数の推移
 富山県の人口当たり公害苦情受付件数は、都道府県の中でも極めて少ない。
 富山県でも全国でも、バブル経済崩壊後'90s年代央に'00年代後半までかなり減少し、その後再増加していたが、'00s年代末以降再び減少している。ただし2019年度以降は若干増加しており、今後の動向が懸念される。
 なお、2021年度は、減少に転じているが、コロナ禍による景気減速の影響であろうか。


 富山県の公害苦情受付件数を種類別にみると、水質汚濁が長期的に増加しており、2010年度に大気汚染を上回った。しかし、2011年度にピークを打ち、2013年度には大きく減少した後、'10年代半ば以降は横ばいとなっている。ただし、水質汚濁と大気汚染は、'19年度以降増加しており、今後の動向を注視する必要があろう。



(2) 発生源の構成
 富山県の典型7公害の発生源別種類別苦情受付件数の構成を見ると、個人、その他・不明の水質汚濁がかなりの比重を占めている。産業部門では、騒音がかなり多い。


 全国での構成について、富山県と比較すると、建設業が多いこと及び産業部門で騒音が多いことが目立つ。また、建設を除き悪臭がかなり多い。個人の大気汚染も多いが、これは野焼きが太宗を占めている。


 ⇒大気汚染物質排出量

 苦情として顕れる公害は、実際に起こっている公害の件数・程度に対して、かなりの偏りがあることが想定されるが、今後、動向を注視していく必要があろう。
 また、水質汚濁などについては、家庭での不注意や対処困難な物の排出の削減がかなり難しい。

(統計データ)

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(Dec.17,2022Rev./Dec.12,2001.Re-ed.)