第4章 堅実な生活 第6節 開かれた生活習慣 第2項 県民意識(県民性)
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(1) NHK調査 (2) 伝統意識 (3) 社会意識等 (4) 新たな解釈 |
項目 | 富山県 | 全国 | |
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昔からあるしきたりは尊重すべきだ | 48.2% | - | 57.2% |
家の祖先には強い心のつながりを感じる | 54.0 | - | 56.9 |
神でも仏でも何か心のよりどころが欲しい | 50.0 | 50.0 | |
人は結婚するのが当たり前だ | 59.4 | + | 48.5 |
受験競争は子供の能力をのばすために必要 | 23.9 | + | 19.5 |
今の世の中は一人一人の庶民は無力だ | 62.3 | - | 69.7 |
学歴がなければ社会は認めてくれない | 57.0 | - | 61.8 |
世の中すべて金次第で良くない | 47.9 | - | 54.7 |
お金はしばしば人を堕落させると思う | 48.5 | - | 52.2 |
お年寄り等のためのボランティアをしてみたい | 46.4 | - | 54.3 |
税金があがっても社会福祉をもっと充実して欲しい | 48.2 | - | 55.8 |
普段の支持政党は自民党(フェースシート) | 40.1 | + | 26.7 |
また、信仰心は全国平均であり、結婚観についてだけ伝統的意識が見られる。 これらの結果は、通常の富山県の県民意識の認識と異なったものであろう。 |
(3) 社会意識等 一方、一人一人の無力さ、学歴社会などといった硬直化した社会のイメージは相対的に少なく、また、金銭感覚ではお金に関する卑しさをあまり感じていないと見られる。 さらに、社会の助け合いについては、相対的に意識が低い。このことも通常の認識と異なるように思われる。 |
⇒男女平等に関する意識 ⇒県議会議員の構成 (4) 新たな解釈 以上のような通常の県民意識についての認識とこの調査結果とのずれをどのように捉えればいいのか。 保守的で伝統意識が強いとされる根拠の、家族規模の大さ、地域社会組織の組織率が高さ、選挙の投票行動などは、意識というよりも、富山県の地形的成り立ち、産業発展の経過などから結果として出てきただけかもしれない。伝統的な意識構造は他地域ほど残ってきてはいないとすべきなのかもしれない。さらに言えば金銭意識等から見ると功利的な意識が強くでていると解釈した方がよいのかもしれない。 この解釈を採れば、合計特殊出生率が全国に先駆けて低下したことや高齢者の支援を医療により多く委ねていることなども理解し易そうである。 ただし、伝統的な意識・規範を解消してきながら、社会福祉やボランティアなどといった新しい社会のための意識・規範の形成は乏しいようである。 このような図式は日本全体の課題でもあり、富山は世界での中での日本の特徴をより強調してだしていると言えそうである。この意味で富山は日本の縮図だと言いたくなるが、このようなものの言い方が県民意識を語る場合のいい加減さにつながっており、これ以上議論を展開するのはやめた方がよさそうである。 県民意識の再認識は、むしろ意識が変化してきていると捉えることが的確なようである。ちなみにNHKの全国県民意識調査は1978年(昭和53年)にも行われており、この間に県民意識が大きく変化したことを示唆している。 ⇒NHK調査新旧比較 根拠のある県民性の検討は容易でないが、大きく変化してきている可能性もあり、柔軟な発想が求められている。 (統計データ) 次頁、節目次、章目次、表紙 (Mar.20,2015Rev./Jun.1997Orig.) |