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男女平等に関する意識
―家庭・職場で高まる平等意識―

(1) 男女共同参画
(2) ジェンダーギャップ

 富山県の行った意識調査で、多様な場面における「男女の地位の平等感」を尋ねたものがある。回答の選択肢は、それぞれ「男性の方が非常に優遇されている」、「どちらかといえば男性の方が優遇されている」、「平等」、「どちらかといえば女性の方が優遇されている」、「女性の方が非常に優遇されている」、「わからない」となっている。


(1) 男女共同参画
 6年前の同様の調査と比較すると、家庭及び職場ではそれぞれ「男性の方が優遇されている(2つの選択肢)」とするものが大幅に減少し、「平等」とするものが増加している。
 社会通念・慣習・しきたりでも若干の同方向の変化がある。
 これに対して、政治、法律・制度では、「男性の方が優遇されている」が若干増加している。


 内閣府による同様の全国調査と比較すると、いずれの場面についても概ね同水準になっている。
 詳細に見れば、家庭、社会通念、学校では富山県の方が「男性の方が優遇されている」が多くなっている。職場、政治では、逆に富山県の方が少なくなっている。

 ちなみに、富山県の職場では女性の管理職が相対的に少なく、また学校では女性の校長・教頭が相対的に多いのだか、ここでの調査結果とは整合性がないように見える。調査の回答者は全国の状況と比較して答えている訳ではないことに留意が必要であろう。


(統計データ)


(2) ジェンダーギャップ
各種組織での女性の割合(%) 内閣府資料 2017年1月

都道
府県
平均
富山
都道
府県
順位
偏差値
都道府県議会議員9.1 7.529-0.38
市区議会議員12.3 8.439-0.89
町村議会議員9.8 6.937-0.73
都道府県の
地方公務員採用試験
(大卒程度)からの採用者
29.6 27.131-0.46
都道府県の
地方公務員管理職
7.7 11.731.42
都道府県の
審議会等委員
31.5 29.336-0.49
市区町村の
審議会等委員
25.9 22.543-1.27
自治会長4.8 1.543-0.74
管理的職業従事者
(会社役員、管理的公務員等)
13.4 11.137-1.06

 世界経済フォーラムは、世界男女格差指数を毎年発表しており、2017年11月公表のデータでは、日本は144か国中 114位と極めて低い(格差が大きい)位置にある。この指数は、世界各国を対象に、政治・経済・教育・健康の4つの部門について、男女の格差を分析し各国の男女平等の順位を付けたものである。

 それでは、我が国内各地域の性差はどうなっているか。世界経済フォーラムの指数の統計とは異なるが、内閣府男女共同参画局が女性の社会への参画状況を取りまとめている。



 富山県庁では知事のリードの下で女性の管理職への登用を積極的図っており、その比率は12%であるが、都道府県の中では3番目の高さとなっている。
 なお、公務員(大卒程度)の採用での女性比率は27%で現在の管理職の比率よりは高いが、都道府県の中では31番目で相対的に低い位置にある。
 また、県の審議会等での女性の比率は29%であるが都道府県の中では36番目で全国平均より低い。さらに市町村の審議会での比率は23%とかなり低く、都道府県の中では43番目の位置となっている。
 これは市町村の差異解消の努力が一段低いことと同時に、人材不足という状況もあるのだろう。


 一方、地域社会の実態として、自治会長の女性の比率を見ると、地域によって差がかなり大きいようだが、その中で富山は1.5%で都道府県の中では43番目とかなり低い位置にある。
 これは、県民の性格差解消が実態として全く進んでいないこととなるのであろう。


 他方、働く女性は多いのだが、管理的職業に従事する者の内の女性の比率は11%で、都道府県の中では37番目と低い位置にある。




・地域からジェンダー平等研究会による「都道府県版ジェンダーギャップ指数(2024年版)

 富山県でのジェンダーギャップは、教育については比較的良好であるが、政治については芳しくない。



 教育のジェンダーギャップについては、先生のギャップが少ないことが寄与している。これはその他の就業分野でギャップが大きいため、それなりに優秀な女性が先生を指向することも背景にありそうだ。


 経済のジェンダーギャップについては、共働き家庭での時間利用のギャップが少ないが、社長や管理職の男女比ではギャップが大きい。


 行政のジェンダーギャップについては、県・市町村の雇用ではそれなりに努力されている様子が見られるが、審議会など部外の人を求める部分ではギャップが大きくなっている。


 政治のジェンダーギャップについては、首長の選出でギャップが大きい。


 以上を総括すると、行政はそれなりに努力しようとしているが、県民はジェンダーギャップ解消への意識に乏しいという結果が出ているのではなかろうか。ありていに言えば、保守的ということだ。




 以上のように、国際社会の中で性差の大きい日本だが、その中でもかなり低い位置にあるのが富山県ということになる。

 ところで、この性差をどう捉えるかについては、多様な議論がある。
 かつては、殆どの社会において、今日の基準から見て、間違いなく男尊女卑の習慣があったと考えられよう。
 そして、我が国では戦後の高度経済成長期にあっても、働く夫と専業主婦による核家族を中心とした社会制度を築いてきている。大企業を中心として終身雇用、年功序列等を基礎に各世帯の生活給保障する制度である。税等でも配偶者控除などこれを助長してきた。換言すれば、性差を組み込んだ一つの文化を築いてきたといえよう。そして、これに即した行動規範が各人の意識の中に根付いている。
 しかし、これまでの性差の基礎にあった世帯自体が解体しつつある。これに対して、どのような新たな文化を創っていくのか。それは、世帯の在り方に依存しない個々人を単位とした制度ではなかろうか。この実現には多様な困難があるが、基本的には子供の養育、高齢者の介護等をしっかりと社会で支えることが必要である。こうした社会が結果として性差別を否定することになっていくのであろう。
 いずれにしろ、今後の社会の在り方をしっかりと議論し、新たな制度を築いていくことが欠かせない。
 現時点で、やみくもに性差を否定することはかなり難しい。


(統計データ)

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(Mar.28,2024Rev./Dec.20,2017Rev.)