第5章 ゆとりある郷土 第4節 情報・通信 第1項 機器の整備から活用へ
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(1) 総括 (2) 回線接続 (3) 機器保有 (4) インターネット利用 (5) 学校教育 |
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(2) 回線接続 回線の整備については、NTTが果たしてきた。富山では、国の補助金を活用して放送受信のためのCAVTの整備が積極的になされた。県民のインターネットの活用の一部もこれで行われている。 しかし、通信関連業者の熾烈な争いの中で、CATV企業は、これを超えた役割を担うのは難しいようだ。 (3) 機器保有 スマートフォンの普及により、世帯のパソコン・固定電話の保有率が低下しつつあるが、富山県の低下は相対的に緩やかで、これらの保有率は全国でも特に高くなっている。 世帯の情報通信機器の保有率について、富山県での推移を見ると、携帯電話(スマートフォン、PHSを含む)については、概ね上限に来ているようである。ただし、スマートフォンが急速に拡大している。 他方、固定電話、パソコンは低下してきたが、富山では80%台で横ばいになっているように見られる。全国では、さらに低下し続けており、富山とは10%ポイント以上の差がでてきている。
富山県の保有率を都道府県と比較して見るには、特定年の統計では危ういので、何年間かの統計をならべて見ることとなる。 富山県のスマートフォンの保有率は、91.8%で都道府県の中では東京に次いで高い。 固定電話の保有率については、携帯の普及によって全国で明確に低下し続けている。しかし、富山県では横這い気味となり、結果として都道府県の中で特に高くなってきている。 パソコンの保有率については、必ずしも明確でないが、やはり次第に低下しているのであろう。スマートフォンの機能が向上することによつて、パソコンの利用内容が限定的であった世帯は、次第に保有しなくなっていると考えられる。 しかし、富山県については横這い気味となり、結果として全国でも特に高くなってきている。 2020年の富山県の世帯のパソコン保有率は85.1%で、都道府県の中で最も高い。 保有率が総じて高いのは、本州中央部の関東、中部、近畿の都府県である。 (Sep.22.2021Rev.) (4) インターネット利用 都道府県毎の世帯ベースのインターネット利用率が高いのは、パソコンと同様に本州中央部の都府県である。 インターネット利用の機器については、スマートフォンが90%で最も多いが、パソコンも80%となっている。 ただし、同調査による個人のインターネット利用率については、富山県はかなり低くなっている。 インターネットの個人利用率が世帯利用率と大きく乖離している県は、大都市圏周辺県である。 これは、大都市圏の都府県では、利用の利便性が高く、一層多くの世帯構成員が利用しているということであろうか。あるいは地域社会に多様な情報システムの導入が進み利用せざるを得ないという状況かもしれない。 (Sep.22.2021Rev.) (5) 学校教育 子供への情報に関連する教育、また教育への情報通信技術活用の充実が急がれている。さらにコロナ禍の中で、リモート授業の導入も進められている。 学校の情報通信技術への対応状況については文部科学省の「学校における教育の情報化等の実態に関する調査」があるが、それぞれの項目の評価基準が分かり難いきらいがある。 設備の整備状況 富山県では、2019年度に学校へのパソコンの導入が大幅に進められた。 全国平均では、2020年度に大幅に進められている。 コロナ禍との関連では、富山県では直前、全国ではコロナ禍の中となったが、整備は以前からの計画で、特に関係があったのではないだろう。 無線LANの整備もパソコンの大幅導入と同様の動きとなっている。 ソフトシステムの導入状況 2020年度に、富山県、全国平均ともに遠隔教育の実施率が大きく伸び、指導者用デジタル教科書も整備されているが、これは、コロナ禍で対応が進んだものであろう。 システム活用能力 情報システムに関連する能力を持つ者の割合は、漸増を続けている。 なお、教員一人ひとりの自己評価だということだが、基準が明確でない。 ちなみに、富山県での学校教員のICT活用能力については、いずれの能力も2011年に急上昇しており、これは厳しい自己評価を一斉に改めたとのことである。ただし、全国と比較していずれが妥当かどうかは定かでない。
企業間の厳しい競争、各現場でシステムを効果的に活用していく課題はあるが、「情報化」の時代は、終焉したと言えるのかもしれない。 ただし、次代を担う人をいかに育てていくか、学校での情報システム活用の教育は、重要な課題を持ち続けている。 (統計データ) (Sep.24,2021Rev./Mar.03,2015Re-Ed./Nov,1996.Orig.) |