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第5章 ゆとりある郷土
第5節 災害と安全
第1項 人為災害

2.犯罪
―減少し続ける刑法犯―

(1) 刑法犯認知
(2) 刑法犯検挙
(3) 地検刑法犯被疑事件受理

 富山県を含む北陸3県の人口当たり犯罪件数は相対的に少なく'00年代当初をピークに減少している。ただし、都道府県の中での富山県の減り方は相対的には少ない。


(1) 刑法犯認知
 富山県での2020年の犯罪発生件数(刑法犯認知件数で交通業過失は除く)は、4,539件であった。人口千人当たりでは、年間4.4件であり、全国4.9件に近いものとなっている。
 都道府県の中で人口当たり犯罪発生件数の多いのは、明らかに大都市圏地域であり、これに対して、その他の諸県では低くなっている。



 現在、富山県でも全国各地でもこの件数は、'00年代前半をピークに減少し続けており、人口当たりでは、ほぼ昭和20年代初めの戦後最低の水準までに低下している。
 ただし、富山県は他県に比較して相対的に遅く低下し、さらに2020年には前年に対して増加している。この結果、2014年には都道府県の中で8番目に少なかったものが、2020年には17番目となっている。
 近年、犯罪が減少し続けているのは、防犯カメラの普及が功を奏しているとされている。
 ちなみに多くの都道府県での2020年の減少について、コロナ禍の中で外での活動が少なかった結果とする説明があるが、趨勢的な減少に留まっている。これは犯罪の内容を細分して検討する必要があろう。

 経済活動の低迷の中で、困窮している層も増加していると考えられるが、犯罪発生件数が減少していることは、それなりに評価できることであろう。ただし、再犯が減少していないとの指摘もあり、こうした人達を排除しない社会の形成が課題となっていると考えられる。



 なお、重要犯罪のみについて見ると、年々の変動が大きいが、都道府県の中で富山県は、2020年では10番目に少なくなっている。



(2) 刑法犯検挙
 富山県の犯罪の検挙率については60%で、都道府県の中で13番目の高さとなっている。



 ちなみに都道府県毎の検挙率は、人口当たり刑法犯認知件数と逆相関があり、約6割の説明力となっている。



(3) 地検刑法犯被疑事件受理
 2016〜2018年の年当たり富山地検管内の刑法犯被疑事件の通常受理人員(人口10万人当たり)は、436人であった。
 ただし、業務上過失致死傷が316人で72%を占めており、これを除くと120人にとどまっている。
 罪状別では、窃盗57人、傷害15人、詐欺10人、横領4人と続く。
 これ以外の罪状については、かなり少なく、実数ベースで10人前後以下とわずかであり、年々の多寡は議論し難い。
 なお、道路交通法等違反については、141人/10万人であった。

 富山の人口当たり被疑事件通常受理人員数を全国平均と比較すると、刑法犯全体では、82%であるが、72%を占める業務上過失致死傷が全国比87%の水準であり、これを除くと72%の低い水準となる。
 また、道路交通法等違反については、62%となっている。



 ちなみに富山県の覚せい剤取締県境件数は、全国でも最も少ない。


(統計データ)

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(Feb.10,2021Rev./Mar.02,2015Re-Ed./Jun.07,2003.Orig.)