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第2章 富山の舞台
第1節 自然と生活の舞台
第2項 気候

2.進む気候変動
―進む温暖化、降水量は方向不明―

(1) 年間値の変化
(2) 平年値
(3) 通年変化


(1) 年間値の変化
 富山の平均気温は、'90年代に概ね0.5度、さらに'00年代に概ね0.5度上がっている。さらに'10年代にも上昇の趨勢が見られるようだ。

 なお、2023年は16.1度で過去最高であった。地球温暖化が進んでいることを特定地点の特定年の結果から言うことはできないが、長期的に見て明らかであろう。


 温暖化に伴って、降雪累積量については、'90年代以降に明らかに減少している。
 なお、2019年は83cmで、過去最低であった。

 この結果、立山山麓あわすのスキー場は、雪不足で経営不振が続き、存続の危機に立たされている(NPO法人あわすの理事長談、北日本新聞2020.2.10.)。


 しかし、降水量は、'90年代半ば以降に増加しているようにも見られ、方向性は明確でない。

 気温の上昇により、日本海の水蒸気の蒸発が増える要素と大陸高気圧の発達が妨げらる要素と重なり合うため、降水量の変化の方向性が明確に現れないのであろう。


 日照時間は、'80年代半ば以降に減少しているように見るられたが、'10年代に再び増加しているようでもある。ちなみに2023年は1979時間で少なくとも過去最長であった。



(2) 平年値
 気象に関する平年値とは過去30年間の平均値として算出され、10年毎に再計算し切り替えられている。例えば最新の平年値は2020年値で、1991年から2020年の観測データから平均値が計算され、2021年5月から用いられている。ただし、日々の平均値は振れが激しく、移動平均等を用いて平滑化されている。
 2010年値から2020年値への切り替えで、富山市の年間平均気温は、0.4℃上昇し、14.5℃となり、平均降水量は、77mm増加し、2374mmとなっている。


(3) 通年変化
 1年間を通して、一様に気温が上昇し、降水量が増加した訳でなく、季節によって変化に違いがある。
 さらに、気象状況が年毎に大きく変動するようになっているらしいことにも留意が必要である。


 次に、基準の切替による日毎の平年値の変化を折線グラフで見るが、2つの切替(2000年値〜2010年値、2010年値〜2020年値)での変化の内容は必ずしも一致していない。

(気温 2000年値⇒2010年値)
・年頭の気温は変化していないが、3月半ばまで次第に上昇している。
・4,5月の上昇は少ないが、5月末にはかなり上昇している。
・さらに、7月から8月半ばにかけての上昇はかなり大きい。
・12月には、低下した時期もある。



(降水量 2000年値⇒2010年値)
・8月半ばから9月の初めにかけて、降水量がかなり増加している
・12半ばの降水量も増加も大きい。
・なお、7〜9月の変化は、前回の切替時('00値⇒'10値)の変化と逆方向となっている。



 ⇒地球温暖化解説

(統計データ)

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(Jun.10.2024Rev./Mar.26,2021Rev.)