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第4章 堅実な生活
第6節 開かれた生活習慣
第3項 新たな活動
1.ボランタリィな活動 ―コロナ禍で減少した活動―
コロナ禍により、ボランティア活動の2021年調査での行動者率は前回の2016年調査に比べて大幅に減少した。
富山県では、一見ボランティア活動が盛んなように見えるが、実態は、地縁社会で要請される活動への参加が多いようだ。
(1)行動者率総数
ボランティア活動の行動者率は、1990年代以降、次第に低下している様子が見られた。
さらに最新の2021年調査では、各地域で概ね10%ポイント程度の大幅な低下が見られた。これは明らかにコロナ禍の影響であろう。
富山県の行動者率は、全国平均を上回って推移しているが、最近の5年間では13%ポイントの大幅低下となっている。
2021年のボランティア活動の行動者率は、全国の17.8%に対して、富山県は19.5%であった。これは都道府県の中で23番目と中程の位置にある。ちなみに2016年調査では7番目の高い位置にあった。
都道府県の中で、行動者率が低いのは、東京・大阪・愛知等の大都市圏と北海道そして青森県である。逆に高いのは、山陰、佐賀県、岩手県などとなっている。一般に都?の格差と言えそうだが、例外も多く解釈し難い。
ちなみに、行動者率の各都道府県値の2016年と2021年との相関(r2)は、0.74となっている。標本数が少ない懸念もあるが、それなりの確かさはあると言えよう。
(2)年齢階層別行動者率
行動者率を年齢階層別にみると、若年層で少なく、壮年で多くなっている。また後期高齢者では再び少なくなっている。
ちなみに、全国平均では、65-74歳層で最も多くなっている。
年齢階層別に富山県を全国と比較すると、45歳-、55歳-層の壮年層で特に多くなっている。これはそれぞれ世帯の主役となり地域社会での責任を果たしているということであろう。
富山県の年齢別分布の経年変化を見ると、最新調査では壮年層で大幅に低下しているが、町内会の行事などを一斉に取りやめたということであろうか。
(3)形態別・種類別行動者率
参加の形態については、富山県では町内会などの組織での参加が特に多い
NPOは全国と比較しても特に少なくなっている。
ボランティア活動の種類別には、安全な生活づくり、まちづくりが多いが、これらは町内会の行事に組み込まれているということであろう。
下図で、行動者率を形態別・種類別に見ると、町内会などでのまちづくり活動が特に多いことが分かる。
活動日数については、スポーツ・文化・芸術・学術が特に多い。これは自らの楽しみとしっかり重なっているためであろう。
また、高齢者・子供を対象とした活動も多いが、半ば避けられない面があるのたろう。
行動者率が大きいまちづくりは活動日数が限られている。これは町内会の行事開催に限度があるということであろう。
(統計データ)
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(Oct.05,2024ReEd./Dec.30,2000.Orig.)
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