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第3章 モノづくり指向の産業
第1節 主要業種概観
第4項 第3次産業
4.飲食業 ―かなり少ない飲食店―
富山県では外食の習慣化が遅れたことによって、飲食の店舗数はこれまで相対的に少なかったが、次第に増えてきた。街の賑わいにとって大切な業種であるが、その直接的な支援等は難しく、街の盛衰とともに変化していく業種であろう。なお、働く人は非正規が極めて多い。
(1) 店舗数・規模
2016年の経済センサスでは、富山の飲食店数は、4,274であった。
人口当たりで見れば、都道府県の中では27番目で中程にある。
かつて飲食店の利用は非日常的な行動であって、店舗は相対的に少なかった。これは、県土に広がって住む県民の需要に対応し、多数あった小売店の事情とは異なっている。
さらに多くの零細店の店仕舞いがあるが、生活での外食習慣の普及が進とともに、全国ベースの店舗の進出等もあり、全体としては緩やかな減少が続いている。
近年の変化として、2012年と2016年の調査を比較すると、酒場・ビヤホール、バー・キャバレー・ナイトクラブの増加が目立つが、これは2012年がリーマンショックでの落ち込みのなかにあり、そこからの回復を意味しているのであろう。
焼き肉店やすし店の増加については、全国チェーンの進出があったものであろう。
人口当たり事業所数で全国に比して多いのは、ラーメン、すし、(一般)食堂・レストランである。総じて、専門店が少ないと言えよう。
なお、配達飲食サービスの店数も多い。
富山県の飲食業各中分類業種の相対的な位置付について、人口当たり事業所数及び従業者数の都道府県の中での富山県の偏差値をプロットしたものが、右図である。ここで平均から偏差値1以上離れる業種を地域の特徴として捉えるとよいであろう。
富山県では、すし店の多いことが目立つ。また、ラーメン店も従業者数がかなり多い。また、配達飲食サービスが極めて多いが、この理由は判然としない。
逆に、焼き肉店の従業者はかなり少ない。また、持ち帰り飲食サービスがかなり少ない。
配達飲食サービスは448店あり、人口当たりでは全国で3番目に多い。
大都市圏で少ないことは明らかであるが、特に多い県の背景は判然としない。
(2) 雇用
従業者数が最も多いのは、配達飲食サービス業で3,871人となっている。
次いで、酒場は個々の規模は小さいが店舗が多く、3,643人となっている。食堂・レストランは、店舗も比較的多く、3,349人である。
ハンバーガー店、すし店などの店舗当たり従業者数が大きのはチェーン店によるものであろう。
他方、飲食店のもたらす雇用効果については、非正社員・臨時雇用比率が80%と極めて高いことに留意が必要である。
(統計データ)
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(Sep.21,2020Rev.)
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