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第2章 富山の舞台
第1節 自然と生活の舞台
第2項 気候

1.気候の現況
―降水量が多く日照時間が少ない―

(1) 海流
(2) 平年値
(3) 通年変化

 冬季の降水(雪)は、豊かな水をもたらし、生活・産業を潤している。
 ちなみに、地域の気象状況の平年値は、過去30年間平均値であり、10年毎に更新されている。直近では、2021年5月に1991年〜2020年の平均値に更新されている。


(1) 海流
 日本海では、海岸に沿って対馬海流が北上している。このため、世界的に見て緯度の割に温暖な気候となっている。
 冬季には大陸部の高気圧が優勢となり季節風が吹くが、温暖な対馬海流により湿潤なものとなり、高い山脈に遮られて、豊富な降雪をもたらしており、典型的な日本海型気候となっている。
 なお、寒流は届いていないが、暖流域の下部には、冷水塊があり、漁業資源は種類の豊かなものとなっている。

 近年、地球温暖化の中で海流の変化が見られる。この変動をしっかりと捉えるとともに、漁業資源の確保等の工夫を図っていかなければならない。



(2) 平年値
 富山市の年間平均気温は14.5度で、全国の都道府県庁所在都市の中では、高い方から36番目でやや寒いといえようか。


 年間降水量は2374mmで、全国5番目の多さとなっている。
 富山市より多いのは順に、高知、宮崎、鹿児島、金沢が並んでおり、日本海沿岸都市と太平洋沿岸都市がある。
 なお、盛岡、福島、山形は内陸部であることに留意が必要であろう。


 年間日照時間について見ると、富山市は1647時間で、秋田、青森、山形、新潟に次いで少ない。
 降水量の多い、高知、宮崎などの日照時間は多く、日本海沿岸都市と太平洋沿岸都市の降雨の型が異なることを示している。


 相対湿度については、富山市が全国で最も高く、次いで、福井、松江、青森と日本海沿岸の都市が並んでいる。



(3) 通年変化
 気象の通年変化について、気温は、1月末に最も低く、8月の頭に最も高い。
 日当たりの降雨量は、7月上旬梅雨の時期に最も多く、次いで12月半ば多くなっている。ただし、降雪となるのは、気温が2,3度を割る1月中下旬である。逆に降雨量が少ないのは、6月初めである。


(統計データ)

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(Jun.10,2024Rev./Jun.06,2021)