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多変量分析
「空間的ゆとり・経済的ゆとり」が耐久消費財普及率の主因子

 消費生活実態調査(2009年)での二人以上普通世帯の耐久消費財普及率について、都道府県別の特性を見るため、幾つかの多変量分析を試みた。

因子分析
 各耐久消費財の普及率を規定する因子として、下図が求められた。
 このうち、第一因子=縦軸は、高次な活動のための機材から基礎的な活動の機材への広がりとして捉えることができよう。
 また、第二因子=横軸は、部屋等に備え付ける機材から手に持って利用する道具への広がりとして捉えることができよう。
 なお、第三因子については、因子負荷量の大きなものとして、太陽熱温水器やルームエアコンが入っており、温暖の広がりが関連していると見られる。


 他方、都道府県の因子得点は下図のとおりである。
 このうち、第一因子=縦軸は、経済的ゆとりの有無の軸として捉えることができよう。
 また、第二因子=横軸は、空間的ゆとりの有無の軸として捉えることができよう。
 これら、耐久消費財と都道府県についてのそれぞれの軸(因子)の解釈は、当然であるが、重なっているといえよう。


 ちなみに、富山県統計課が、1994年統計で、耐久消費財普及率の地域分布について因子分析をし、第一因子:大都市対田舎、第二因子:太平洋岸対日本海岸、第三因子:寒地対暖地の結果を出しており、ここでの分析と対応している。

主成分分析
 各耐久消費財の普及率の合成からは、下図が求められた。
 中に潜む因子の引出し(因子分析)と、合成による新たな指標の作成(主成分分析)は、異なる手法であり、その意味合いも異なるものである。
 しかし、双方の分析の結果は、概ね同じものとなっている。





 分析手法の数学的方法とその解釈はともかくとして、ここでは、耐久消費財を捉える基本的な枠組みとして2つの軸を捉えておくことができよう。
 さらに、個々の耐久消費財についてfは、固有の特性があり、都道府県毎の値を検討しつつ、それを説明していく必要があろう。


クラスター分析
 耐久消費財のクラスターについては、かなり無理あり、中央の青線の水準程度が意味を持っていそうである。


 他方、耐久消費財普及率による都道府県のクラスターについては、かなり実感に沿うものと思われる。


 以上のような多変量分析は、その数学的手法の考え方はともかく、何か正しいものが発見されるというものではない。
 当該分野について、認識を深めていくための契機となる枠組であり、一つの仮説として捉えておく必要がある。
 また、因子分析と主成分分析は明らかに目的が異り、手法も異なるが、結果としては類似したものが求まり、実質的には同様に扱っていいのではなかろうか(逆に言えば、その程度の弱い意味合いしか持ち得ないといえる)。もちろん、説明の残余の部分が殆んどない分析結果が出るのであれば、それなりに確かな意味を持ち得る。

(統計データ Excel)

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(Aug.03,2010)