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第3章 モノづくり指向の産業
第1節 主要業種概観
第4項 第3次産業
1.エネルギー・情報通信業 ―活躍する地域企業―
(1) エネルギー産業
北陸電力は、富山県内では北陸銀行と並ぶ大企業であり、エネルギー供給とともに関連事業所も多く、地域経済に大きく貢献してきた企業である。
エネルギー産業は、産業大分類では電気ガス熱供給水道業に含まれる。電気ガス熱供給水道業は富山県では就業者総数5千人程度で産業全体の中でのウエイトは低い。しかし、北陸電力の本社があるため構成比の全国値に対する特化度は1.6で全業種(産業大分類)の中で最も高い。
ただし、電力業は、今後の環境変化の中で、いかに事業を展開していくか厳しい課題を抱えている。特に、原子力発電や火力発電は、どう扱っていくか困難な課題に直面している。また、電力自由化、発送電の分社化の中で、事業がどう展開していくか、不透明である。
電力会社なりの努力と並行して、地域なりに自然エネルギーの利用の拡大を図っていくことが重要であろう。
また、小水力発電については、地理的条件に恵まれ、事業展開を図っている企業もあり、地域なりに支援していくことが求められる。
(Nov.03,2019Rev.)
(2) 情報通信業 ―東京・大都市圏に極端に集中―
経済センサス基礎調査(2014年)によれば、富山県での情報通信業の総従業者数は、7,497人で、都道府県の中では22番目の大きさであった。
我が国での人口・経済の一極集中は、一般的にも指摘されているが、情報通信業は、極端に集中しており、総従業者数では、東京で全体の51%を占めている。次いで多いのは、大阪、神奈川、愛知と大都市圏の府県が並び、この次に地方中枢都市所在道県の福岡、北海道、(千葉、兵庫)、宮城、広島がある。
富山は全体の0.41%に留まっている。
富山の情報通信業の従業者数(常用雇用)の内容を細分類で見ると、ソフトウエア業が58%を占め、これを含め情報サービス業(中分類)が79%となっており太宗を占めている。
なお毎年調査が実施されている情報通信業基礎調査の2019年の富山県の従業者数は、19,438人となっており、全国の1.2%を占め、都道府県の中では、6番目の大きさとなっている。
従業者数の比較 | 富山県 | 全国 |
基礎調査 | センサス | 比率 | 基礎調査 | センサス | 比率 |
G 情報通信業 | 19,438 | 7,497 | 2.59 | 1,684,186 | 1,631,128 | 1.03 |
37 通信業 | 612 | 370 | 1.65 | 170,737 | 154,404 | 1.11 |
38 放送業 | 598 | 746 | 0.80 | 64,607 | 68,194 | 0.95 |
39 情報サービス業 | 18,547 | 5,106 | 3.63 | 1,627,851 | 1,074,466 | 1.52 |
40 インターネット附随サービス業 | 4,119 | 270 | 15.26 | 193,406 | 83,094 | 2.33 |
41 映像・音声・文字情報制作業 | 7,044 | 1,005 | 7.01 | 277,399 | 250,970 | 1.11 |
情報通信業基礎調査は、事業所でなく企業を対称とした統計で、従業者数等は、本社所在地に集計されるため、センサス調査と齟齬があるようだ。ちなみに、全国値の情報通信業の業種全体の従業者数では双方の調査はある程度一致している。
しかし、富山県の場合、なぜこれほどまでに多くるなるのかは判然としない。インテックなどの県外スタッフが計上されているためだろうか。いずれにしろ 情報通信業基礎調査の企業本位の地域統計は扱いに注意が必要である。
(株)インテックは、故金岡幸二氏によって、1964年(50年前)に先見の明を持って設立された富山計算センターを前身としている。
(統計データ)
(Apr.06,2020)
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