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第2章 富山の舞台

第6節 舞台の転換

(1) 気候変動での災害抑制
(2) 人口減少の受入れ
(3) 経済活動の再考
(4) 国際社会での見識ある行動

 以下は、本章「富山の舞台」の総括であるが、緊急課題を列挙し、予め対応の方向性を提示しておく。


(1) 気候変動での災害抑制
 今後は、温暖化のみならず激しい気象変動が起き、厳しい災害に見舞われるだろう。さらに長期的には、海面の上昇により、平地の相当部分が失われる可能性もある。

 災害に強い土地利用に改めていくとともに、防災のための的確な基盤施設の整備も求められる。これは各地域毎の課題であり、富山なりに展望を持って対応していかなければならない。
 また、海進の課題については、居住地域を次第に移動させていかざるを得ないだろう。


(2) 人口減少の受入れ
 日本のみならず地球全体でも人口減少に転じていくことは間違いない。

 地球温暖化に鑑みれば、むしろ人口減少は活動の鎮静化のために好ましい。大切なのは、人口の減少に対応した、経済社会を構築していくことである。このためには、拡大を良しとする価値観を改めていく必要があり、地域なりに議論を起していくことも大切であろう。


(3) 経済活動の再考
 すでに格差の厳しい社会になっており、経済成長より配分が課題である。
 また、財政の限界には、けじめを付けた資源配分の転換を図っていく必要がある。

 地球温暖化に対しては、経済活動を鎮静化せざるを得ない。このため、今後は、日本全体さらには世界全体での生産の分け合いを円滑に行っていくことが課題である。生産の拡大がない中での配分の変更は厳しいが、避けられない。
 行政の借金はどこまで可能なのか。負債を国外に頼らない限り許容されるのだろうか。日銀引き受け債権の帳消しなどできるのだろうか。としても、経済に困難を招くことは間違いなく、財政配分の転換を明確な意図をもって進めていく必要がある。
 中央集権の財政構造の下で、配分を拒否することは難しいが、地方の取り合いは改めていく必要がある。現知事(石井知事)は地方財政のプロなのだが、国から一層多くを引き出すだけでなく、富山なりの見識ある行動はないのだろうか。


(4) 国際社会での見識ある行動
 国際社会には多くの課題があり、見込まれる混乱への事前的対応を進めるとともに、国として誇りある行動を取っていくことが必要である。さもなければ、世界から見捨てられることとなろう。

 地球温暖化に関しての温暖化ガス排出削減については、主体的貢献という以前に、各国・各地域・各自なりの責務を果たす覚悟が必要である。これは、各自なりの温暖化ガス排出許容量という視点を持てば即座に言えることである。
 食料の供給については、混乱に陥っても、自己責任で対応できる体勢の整備が必要である。
 かつて我が国はジャパン・アズ・ナンバーワンと称賛されたが、アジア等の経済成長により、もはやその地位になく、むしろ様々な面で劣位に立ち始めている。これを自覚して、見識ある国際的な行動を選択していかなければ、自滅への道を辿ることとなる。

 本頁の内容は検討不十分であり、表現も練れていないが、取り敢えず掲げておく。

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(May.03,2020)