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第4章 堅実な生活
第3節 健やかな暮らし
第3項 人口動態
2.平均寿命 ―全国平均を下回った男の平均寿命―
これまで富山県の平均寿命の伸びは都道府県の中でも著しいものであったが、ここへきて女の伸び悩みが見えてきた。
(1) 平均寿命
| 男 | 女 |
全国 | 富山 | 順位 | 全国 | 富山 | 順位 |
'10 | 79.59 | 79.71 | 17 | 86.35 | 86.75 | 10 |
'15 | 80.77 | 80.61 | 27 | 87.01 | 87.42 | 8 |
'20 | 81.49 | 81.74 | 15 | 87.6 | 87.97 | 10 |
10〜'20 | 1.9 | 2.03 | 18 | 1.25 | 1.22 | 26 |
富山県の平均寿命(2020年)は、男81.74歳、女87.97歳であった。
男女とも全国平均よりは高い位置にある。
各都道府県の平均寿命については、女に比べて男の方が散らばりが大きい。
男の平均寿命については、日本の中央部で高く、北東北や四国で低い。
女の平均寿命については、中国・北陸等で高く、東北、関東で低い。
(2) 平均寿命の推移
我が国の平均寿命は伸び続けているが、最近10年で女の頭打ちが目立ってきた。
ちなみに戦前は、富山県を含め北陸3県の平均寿命が全国で最も低かった。
(3) 死因と平均寿命
人々が死亡する際の死因は、確率的には悪性新生物の可能性が最も高く、これに心疾患と脳血管疾患を加えると50%に近くなる。
相対的には、富山の男の不慮の事故での死亡の確率がやや高い。
逆に、男の心疾患はやや低い。
⇒ガン検診受診率と死亡率
死因と平均寿命の関係性については、仮に死亡原因の確率として低くても、それが若い時期であると平均寿命をより大きく引き下げる。このことから、富山では全国平均に比べて、男の不慮の事故・自殺が平均寿命に一層大きな影響を与えている。
0歳時点での死因別余命減少幅の近年の推移を見ると、特に大きい悪性新生物、心疾患、脳血管疾患(以上3大疾患)、肺炎、不慮の事故、自殺はいずれも着実に減少している。
その他の死因については、横ばい気味であるが、他の死因が減少すれば浮かんでくる可能性もあり、単純に評価はできない。
平均寿命が伸びること自体は望ましいことであろう。
また、人はいつか亡くなるのであって、その場合は、死因が老衰、あるいはこれに近い形での肺炎がいいということになろうか。
しかし、悪性新生物(癌)は、他の死因が減少すればどうしても顕れてくるものであり、それを受け入れていくことも必要であろう。
今後は、人生の最後を良く生き、そして良く亡くなっていくことこそ検討していくことが必要となっているのであろう。
⇒健康寿命
(統計データ)
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(Jan.19,2023Rev.)
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