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がん検診受診率と死亡率
─都道府県統計には相関がない─

富山県の各がん検診率・死亡率と
全国順位

大腸
検診率 %29.627.538.4
 順位(降順)6135
死亡率 対十万人24.116.620.6
 順位(昇順)43135

 富山県のがん検診受診率は総じて高いが、がんによる死亡率は必ずしも低くない。どうも都道府県の検診受診率と死亡率には相関がないようだ。
 以下では、がん検診受診率は厚生労働省「国民生活基礎調査2010年」、がん死亡率は厚生労働省「死因別年齢調整死亡率2010年」の各都道府県男女平均値を使っている。


【肺がん】

 2010年の国民生活基礎調査によれば、富山県の肺がん検診受診率は、29.6%であり、都道府県の中では、6番目に大きかった。これに対して、肺がんによる死亡率(年齢調整死亡率・男女平均)は、24.1人/十万人で都道府県の中では4番目に低く、検診普及の結果として死亡率が低くなっているように見られる。
 しかし、各都道府県の検診受診率と死亡率には相関関係が見られない。




【大腸がん】


 大腸がん検診受診率についても27.5%で都道府県中13番目の大きさで比較的高いが、死亡率については16.6人/十万人で都道府県中31番目の低さで全国平均を上回っている。




【胃がん】


 胃がん検診受診率についても38.4%で都道府県中5番目と高いが、死亡率については20.6人/十万人で都道府県中35番目の低さでかなり大きい。


 都道府県のがん検診受診率統計と死亡率統計には、当たり前に考えれば検診率が上がって、死亡率が下がるという逆相関がありそうである。しかし、相関がないということは、死亡率が高い県が特に検診を受けるよう努めているという背景があるのかもしれない。
 さらには、がん検診が死亡率を低下させる効果については、一般に十分な根拠がなく、敢えて言えば、大腸がん、子宮頸がん以外では効果が認められないという報告もある。ただし、ここで見た都道府県統計では大腸がんについても相関関係が認められない。

 現在、日本でがんによる死亡率が低下しているのは、検診の普及というより、生活習慣の改善によるところが大きいのであろう。特に、肺がんについては、環境が変化してきていることが明らかである。また、各種の治療技術の高度化も貢献しているものと考えられる。

(統計データ)

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(Nov.10.2013)