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世帯数の将来予測
―予想を超える世帯の縮小・世帯数は減少局面?―

 社会保障人口問題研究所から都道府県毎の世帯数の将来予測が発表された(2019年4月)。
 一般世帯の平均世帯人員数は全国各地域で漸減していく。
 富山県でも同様であり、2015年の2.66人/世帯から25年後の2040年には2.26人になる。
 ただし、富山県の世帯規模の縮小は相対的に速く進み、2040年時点では、これまでの山形、福井、佐賀に加えて滋賀、岐阜、新潟、鳥取を下回り、全国で8番目となる。

 この世帯規模の縮小は、前回(2014年)の推計を大きく超えて進んでいる。


 人口総数は、富山県では20世紀末から減少し始めているが、世帯規模の縮小に拘わらず、今後は世帯数の減少が進んでいくこととなる。


 富山県の一般世帯数の推移については、ちょうど2020年頃に転換点に差し掛かっているとみられ、今後2020年から2040年までの20年間で29千世帯の減少と見込まれている。
 このうち単独世帯は6千世帯増加するとされているが、2040年以降は減少に転じている。
 単独世帯以外の一般世帯については、20年間で36千世帯の減少となっている。

 世帯数の減少は、今後の都市づくりに大きな影響を与える。特に住宅については、既に空き家が増加し始めており、これ以上の住宅建設や宅地開発はできる限り抑制し、既存住宅の利活用を極力図っていかないと、適度にまとまった住みやすい都市を造っていくことはできない。
 しかし、地域の建築業者による住宅建設は続けられており、高齢者の資産運用手段としての長屋建て住宅の建設なども活発である。さらには新幹線の開通を契機とした地域開発の要請もあり、まとまった住みやすい都市を造ろうとする見識はみられない。住宅建設・土地開発に関心のある関係者は積極的な事業展開を望む立場にあり、むやみに空き家がでないような住み良い都市づくりを求めるための動きはでてこない。本来、各地域の首長がこれに警告を発するべきなのだが、票を考えると、このような動きをとれない。マスコミも住宅フェアなどを好み、広告宣伝を考えると安易には主張できない。


 他方、高齢者のいる世帯について見ると、2010年代に急増している。これは団塊の世代が65歳を超え始めているためである。その後2020年以降は漸減となっている。
 さらに単独の高齢者世帯については、2010年代に急増し、それ以降も漸増となっている。

 このように急増する高齢単独者等をどのように支えていくか。要介護度が一定上になった場合には施設で支えざるを得ないであろう。この施設については、単に特別養護老人ホームというのではなく、多様な複合施設(富山型施設)を工夫していくことが望まれる。
 さらに、それ以前に高齢者が家に閉じこもらず、地域で多様な活動をし、健康寿命を延ばしていくことこそ重要であろう。このための喫茶、飲食、買い物、各種交流機能を含めた高齢者の居場所、活動場所を地域なりに工夫していくことが重要である。
 実は、高齢者の定義は65歳以上となっているが、具体的な支えが必要となるのは、後期高齢者(75歳以上)で多く、今こそ健康寿命を延ばすための多様な工夫を展開していくべき時である。
 人口や世帯の変動は、早くから予想されてきていることであるが、これまでもそして現在も、この変動がもたらす諸課題に事前的に対応することを怠りがちであった。今後、何が起こるのか事実を確認し、その下で各自が積極的に行動していく必要がある。

 ちなみに人口問題研究所の推計について、今回(2019年)と前回(2014年)を比較すると、世帯規模にかなり差が見られる。例えば富山県について、前回に2015年で2.70人/世帯としていたものが、実績では2.66人/世帯であり、今後さらに急速に縮小していくとされている。

 このようにかなり大きな差異では、ことさら推計する意味がないようにさえ思われる。むしろ、推計に大きなバイアスがあるのではと疑われさえする。かつて人口問題研究所の人口総数の推計でかなりは大きなバイアスがあったことは明らかである。このような見解は新聞報道では見られないのだが、いかがであろうか。



(統計データ)

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(Apr.19,2020Rev.)