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増加する医薬品生産
―産業クラスターとしての発展―

 厚生労働省の「薬事工業生産動態統計」によれば、2015年の富山県での医薬品の生産額は7,325億円であった、都道府県の中では、前年最大の埼玉県を抜いでいる。富山県に続くのは、埼玉県、東京都、大阪府、静岡県、神奈川県であり医薬品は大都市圏に特に集積した産業である。しかし、江戸時代からの伝統が根付き、今日なりの生産体制をしっかりと形成しているといえよう。


 特に、富山県での生産は、バルク等の受託生産が多いが、2005年に医薬品の委受託生産が完全に自由化された後、急速に伸びている。
 また、医療保険制度からの要請に応えたジェネリック医薬品(後発医薬品;特許期限切れの安価な医薬品)の製造も盛んで伸びている。
   ⇒再掲図


 医薬品の生産に関しては、受委託が多いため、国全体の生産額の合計6兆8200億円には、重複計算がかなり多い。このため、都道府県毎の生産額を単純に比較することにも問題がある。
 国全体での委託率は41.2%であり、富山県は69.5%となっている。つまり、富山県では、最終製品の製造を他企業が担っているものが多いことを意味している。逆に言えば、富山県内の企業が、外注して自らの生産に組み入れている割合は相対的に少ないと予想される(ここでの委託とは、最終製品となる製造工程を他社の製造所に委託するものをいう)。




 富山の製造所は90所あり、これは、大都市圏の東京、埼玉、兵庫、神奈川に次いで多い。
 また、従業者数は約8500人であり静岡に次いで多い。

 この統計だけでは、各地域の生産様式(自社・委託生産)別生産額の状況と製造所数・従業者数との関連性はよくわからない。




 医療保険の運営の困難さから薬価が低下しがちであり、医薬品産業には厳しさがある。しかし、それぞれの企業なりの研究開発、必要な投資を続け、取り敢えずは1兆円の生産を目指して、発展していくことが期待される。
 さらに地域としては、医薬品生産を取巻く、容器・機械・印刷・パッケージ・梱包等々の製造業、研究開発、関連サービス提供等々多様な事業が集積しており、既に優れた産業クラスターを形成している。今後は、医薬品はもとより化粧品・健康食品等々の類似物の生産基地として、一層の産業集積が進むよう、発信していくことが望まれる。


(統計データ)

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(Mar.31,2017Rev.)