次頁節目次章目次表紙

第3章 モノづくり指向の産業
第1節 主要業種概観
第1項 産業の構成

2.事業所数・従業者数から見た産業構造
―事業所数で卸小売業、従業者数で製造業が最多―

(1) 業種構成
(2) 事業所の従業者規模
(3) 業種特化度(全国比)

 事業所数は、富山平野に分散して居住する県民に供給するため、卸小売業が最多である。従業者数は、地域として所得を稼ぐため、製造業が最多である。

(1) 業種構成
 産業3分類就業者構成の都道府県比較は、就業機会の項に記述。


 (産業大分類)
 まず、産業大分類で、事業所数と従業者数を見ておく。
 事業所数の最も多いのは、I卸売、小売である。これに続くのは、いずれもこの半数以下で、D建設、M宿泊、飲食サービス、E製造となっており、これらが5,000所を超えている。、N生活関連サービス、娯楽は、5,000所を若干割っている。



 他方、従業者数では、E製造が最も多く、10万人を超えている。これに続くのがI卸売、小売で10万人を若干割っている。以下P医療、福祉、D建設、M宿泊、飲食サービスと並ぶ。




(2) 事業所の従業者規模
 事業所当たり従業者数では、E製造、P医療、福祉が10人/事業所を超え規模が大きいが、I卸売、小売、D建設、M宿泊、飲食サービスでは、5〜10人/事業所、さらにN生活関連サービス、娯楽では5人未満/事業所と零細なものとなっている。


 (産業中分類)
 事業所数と従業者数を産業中分類で詳細に見ると、街のイメージも浮かんでくる。
 事業所数で最も多いのは、76飲食店であるが、これは起業廃業の極めて多い業種でもある。次いで、60その他小売があり、さらに78洗濯・理容・美容・浴場58飲食料品小売がいずれも3,000所を超えており、さらに83医療があるが、いずれも県民の日常生活を支える業種である。次に、07職別工事、06総合工事と建設業があり、産業活動、県民生活を多くの小規模な建設事業所が支えている。その他で1,000所を超えるのは、08設備工事、56機械機器小売、82その他の教育,学習支、85社会保険・社会福祉・介護、94宗教である。
 他方、従業者数では、85社会保険・社会福祉・介護事、83医療業が30,000人を超え、次いで、飲食店、60その他の小売、58飲食料品小売、24金属製品製造、が20,000人を超えて並ぶ。
 事業所当たり従業者数では、81学校教育が30人/事業所を超え、85社会保険・社会福祉・介護もこれに近い。製造業では24金属製品製造が特に大きい。これらに対して、78洗濯・理容・美容・浴場は零細な事業所が多い。









 次に、産業中分類の業種について、事業所数と事業所規模、及びその積(面積)としての従業者数を一覧する。
 規模の大きな事業所は、製造業に特に多い。
 小売業、飲食業、生活関連サービス業では、小規模な事業所が多数ある。これは、県内に分散して居住する人々にサービスを提供しているためといえよう。
 これに対して、学校、医療・福祉といてった公的制度のもとでの開設された事業所については、規模が大きくなっている。

(3) 業種特化度(全国比)
 産業中分類業種毎の事業所数の構成比についての全国比(特化度)を見ると、建設業、小売業、及び多くの製造業の業種が相対的に多くなっている。
 不動産、飲食、その他の事業所サービスなどの都市的サービスの業種については、事業所が相対的に少ない。
 また、社会保険・社会福祉・介護の事業所も少ない。
 従業者数についての産業中分類での特化度についても基本的には事業所数と同じ傾向が見られるが、製造業の各業種の多さが特に目立っている。
 これに対して、飲食料品小売など日常生活用品の小売では、従業者数は相対的に少ない。
 ただし、社会保険・社会福祉・介護事業所は全国と同じ水準であり、個々の事業所は相対的に規模の大きなものとになっている。


(統計データ)

次頁節目次章目次表紙

(Mar.04,2016)