次頁節目次章目次表紙

第5章 ゆとりある郷土
第2節 居住環境
第3項 利用施設

1.各種利便施設
―近い施設と遠い施設に二分―

(1) 身近に立地している施設
(2) 都市部に立地している施設

 富山平野に分散して住む県民の日常生活に必要な諸施設の分布は、施設の特性によって異なる分布をしている。


(1) 身近に立地している施設
 公民館は、定住性の高い富山県で地域の集会施設として地域住民が自ら負担して建設しており、他地域に比しても極めて身近にある施設となっている。

 小売店については、かつては小規模で数多くの店舗があったが、急速に減少してきている。


 富山県では、鉄道駅が大都市圏地域に次いで最寄にある施設となっている。
 幾つかの廃線もあり、富山県の鉄道網は弱体化してきているが、これまで富山県民の通学・通勤の足として大切な役割を果たし、県民の所得の向上を支えてきた。


 ちなみに可住地面積当たり鉄道駅数を見ても、富山県は大都市圏地域に次いで多いことがわかる。
 (国土交通省の資料によると富山県には189の駅がある。)

(統計データ)

(Oct.03,2018)



(2) 都市部に立地している施設

 一定規模の人口があって成立する医療機関等の施設は、地域の中心都市に立地することとなり、相対的に住宅から離れている施設となる。


 計画的に形成された都市地域等には近所に地区公園があるのだが、平野に分散して住宅がある場合に、一定規模の公園では住宅からは遠くなるようだ。


 小中学校は一定の人口を背景にして成り立つため、非都市的地域では距離が遠くならざるを得ない。さらに人口減少の中で、学校の統廃合が進められており、距離が遠くなりつつある。


 平野に分散して居住している富山では、都市施設への距離は遠い。ただし、自動車の利用等によって必ずしも不便ではない。


 相対的に災害が少ない富山では、避難所設定の意識が乏しいようだ。


 各種利用施設の在り方は、これまで自動車社会化の中で変化してきたが、今後は人口の高齢化・減少の中でさらに大きく変化していくと考えられ、それなりの計画的な配慮が必要であろう。

次頁節目次章目次表紙

(Apr.19,2020Rev.)