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第5章 ゆとりある郷土
第2節 居住環境
第2項 給排施設

3.廃棄物処理
―極めて多い排出、分別で対応―

(1) 排出量
(2) リサイクル
(3) 最終処分

 廃棄物の削減については、いろいろと努力されているが、富山県では横這いないしは増加気味で、人口当たり排出量は、全国の中では2番目の大きさとなっている。


(1) 排出量
 富山県では、一人当たり年間381Kgの廃棄物を排出し、そのうち92kgはリサイクルされているが、その他の多くは焼却され、36kgが埋立の最終処分となっている。


 廃棄物の一人当たり排出量は、全国の920g/人日に対して、富山県では1044g/人日であり、都道府県の中では、2番目の多さとなっている。


 '00年代半ば以降全国では排出量の減少が続いている。
 これに対して、富山県では'10年代に入って特に増加に転じており、2016年には都道府県の中で2番目の大きさとなった。



(2) リサイクル
 廃棄物のリサイクル率については、全国の20.2%に対して、富山県では24.1%で、都道府県の中で8番目となっている。


 富山では2010年代に入って、リサイクル率が、一段階上昇した後、横這いで推移している。


 ちなみに富山県の廃棄物資源化等施設の人口当たり処理能力は、30.8g/人日で、全国の207.5g/人日の15%に留まり、都道府県の中でも最も小さい。
 富山県のリサイクル率がそれなりに高いのは、分別回収で対応しているということであろう。



(3) 最終処分
 廃棄物の一人当たり最終処分量については、全国の30.2Kg/人年に対して、富山県では35.5Kg/人年で、都道府県の中では、17番目の大きさとなっている。


 富山県の廃棄物の最終処分量は、'00年代前半には横這いで推移し、ほぼ全国平均と同じ水準となり、その後全国平均と並んで低下していた。しかし、近年横這いから増加に転じたようにも見られる。
 以上のように、富山県の廃棄物の排出・処理については、全国の平均的な位置にあるが、改善の努力は乏しいようである。


 ちなみに北海道は、道内処分困難なものを移送できないため、大きくなっている。


 富山県の土地は、主として複合扇状地の平野部と急峻な山岳部で構成されており、最終処分のための適地に乏しい。このため、今後の最終処分可能量を年々の最終処分量で除した、処分可能年数を求めると、全国の17.1年に対して、富山県は10.3年であり、都道府県の中では5番目の短さとなっている。
 データが古いが、重要な事項と考えられるので、掲載しておく。



(統計データ)

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(May.27,2020Rev./Feb.19,2011Orig.)