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第5章 ゆとりある郷土
第2節 居住環境
第2項 給排施設
1.水道・ガス ―低い水道普及率―
富山県は基本的には水に恵まれており、上水供給は安定して行われている。
(1) 水道
都道府県毎の水道普及率の統計データのWebから入手については、次のような状況にあり、近年の変化の分析が十分にできない。
水道に関する各種統計は、公益社団法人日本水道協会が整理集計しているようだが、Webでは十分に入手できないようだ。
厚生労働省のサイトでは、水道の基本統計として「水道普及率の推移」があるが、特定年1年の都道府県別普及率統計のみであり、経年変化はたどれない(ただし、このサイトは恒常的なものでない可能性があり、接続できないことがある)。
e-Stat(政府統計の総合窓口)では、日本統計年鑑
の第10章エネルギー・水の項に水道統計があるが、都道府県別統計は必ずしもない。ただし、最近年では第六十四回日本統計年鑑平成27年に都道府県別の詳しい統計が載っている。
また、e-Statの総務省の「社会・人口統計体系」の「統計でみる都道府県のすがた」の各年の「居住」の項に、都道府県別普及率があるが、これは厚生労働省の水道普及率の定義が若干ずれているようだ。
富山の水道普及率は93.3%で、都道府県の中では5番目に低い。これは、扇状地での湧水が利用されているということであろう。
なお、全国で最も普及率の低いのは、88.1%の熊本である。
ちなみに各県内市町村の水道普及率については、入善町が23%で最も低い。これに次いで小矢部市、朝日町、黒部市が低くなっている。
(Sep.29,2018Rev.)
富山県での水道普及率の上昇は1990年前後に一段落し、その後ゆっくり上昇している。
この上昇の理由については、人口の都市集中が大きな要因であろう。さらに土地利用の変化の中で地下水位の低下が起こっていないか懸念される。
一人当たり日量で、富山県の311gは全国の318gを若干下回り、都道府県の中でも30番目の大きさとなっている。
富山県での人口当たり上水(ここでは上水道、簡易水道、専用水道)供給量は、1994年がピークで、以降横ばいないしは若干の減少で推移している。
これまで家庭での水需要の拡大の主な内容は、便所の水洗化や洗車需要であり、その伸びが一段落している結果と考えられよう。
ちなみに300g/人日という水準は、国際的には過剰消費と評価され、50〜150g/人日程度が適切とされるようである。水道使用に伴うエネルギー消費などについては懸念されるが、豊富な水の消費は、衛生水準の維持等に後継していると考えられる。
なお、富山県の水道基本料金は420円/月で、都道府県の中では静岡県、千葉県に次いで安く、全国平均の半分程度である。
富山県の料金の安さは、居住地が主として河川の扇状地で構成されていることから当然であろうと思われる。しかし、各都道府県の料金は、それぞれの地域の事情があり、簡単には予想し難い。ちなみに、石川県は1,050円で富山県の倍以上で、都道府県の中では4番目の高さとなっている。
参考;小売物価統計調査による水道料金
(2) 都市ガス
富山県での都市ガス普及率は約20%であり、DID世帯数比率のほぼ半分に留まっている。
(統計データ)
上水設備については、人口の減少、施設設備の老朽化のもとで、今後の維持管理の問題がありそうである。
また、耕地の宅地化、用水路床のコンクリート化、流域下水道の整備など、さらに消融雪水の汲み上げなどで地下水の涵養が懸念される。(これらのことについては、まだ不勉強です。)
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(May.27,2020Rev./Mar.13,2015)
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