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第5章 ゆとりある郷土
第2節 居住環境
第1項 住宅

3.住宅設備
―進まない整備の高度化―

(1) バリアフリー化
(2) 省エネ化
(3) 耐震化
(4) リフォーム工事
(5) 浴室

 富山県の住宅は相対的に古い住宅が多い。このため、各住宅は一定の質的水準を持ているが、その後の更新については、軽微なリフォームは対応できるが、大改造を伴うものは、相対的に低くなりがちのようだ。


(1) バリアフリー化
 高齢者が住む住宅で高齢者等のための設備ある比率は67%で都道府県の中では4番目に高い。


 ただし、手すりやスロープの設置など容易に整備できるもの、あるいは車いすで通れる廊下など建築当初からある程度期待できるものについては、高い水準になっているが、整備が容易でないものの水準は相対的に低い。特に道路から玄関まで車椅子で通行可能な住宅については、全国のなかでも極めて低い。これは道路から住宅までの距離の長さに起因している問題であろう。



(2) 省エネ化
 基本的には省エネに配慮した生活が重要であり、さらに世帯規模縮小の中で過剰な広さを解消していく必要がある。

 住宅の省エネ化として太陽光を利用する発電や温水器については、富山県では相対的に普及率が低い。
 これは気候条件からある程度予想できることであろう。
 ちなみに太陽光発電は、富山でもそれ程不利ではないという説もある。





 逆に住宅の断熱のための仕掛けとしての窓等の二重サッシについては、整備が進んでいる。



(3) 耐震化
 建築時期の古い住宅が多い富山県では、住宅の耐震化についても他県に比して遅れている。
 制度的に1981年以降建築の住宅は耐震化されていることが建前となっており、都道府県毎の住宅の古さと耐震化率に相関があることは予想されることであろう。
 '00年代の半ばに、2015年には耐震化率概ね85%の達成を目指していたが、75%に留まっている。



(4) リフォーム工事
 国土交通省の「建築物リフォーム・リニューアル調査」は地区別調査ではないが、施工地での集計により都道府県別受注高を参考表として公表している。
 これによれば、富山県内での人口当たり工事額はかなり大きいようである。
 2019年度は、住宅で総額441億円、42千円/人となっている。都道府県毎の格差がかなり大きく、富山県は8番目の大きさとなっている。
 ちなみに非住宅を含めた建築物全体では、2,111億円で、人口当たりでは都道府県の中で2番目の大きさとなっている。



(5) 浴室
 富山県では、かつては浴室のある住宅が相対的に少なかったが、現在では全国平均以上となっている。


 富山県の人口当たり浴場数は、他地域に比べてかなり多い。しかし、住宅の浴室の整備が進む中で、浴場数は急速に減少し続けている。


(統計データ)

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(Sep.21,2020Rev.)