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参考 地域創りの意思決定
第4節 社会計画

第2項 計画の範囲

 多様な社会の課題は、相互に複雑に関連しており、その解決には、できるだけ広い範囲で捉え、対応を図っていく必要がある。
 局部的な対応では、彌縫策にとどまり、根本的な解決に至らないことも多い。
 総合性が求められ具体的な状況としては、より総合的基本的な方針を求める上位計画との統合、及び関連分野の施策との整合性を求める隣接計画との統合があろう。

 しかし、総合的に対応しようとすれば、課題が複雑となり、対応策の合意が一層困難になることも多いし、手段が関係者の所掌外になってしまうことも多い。
 このような困難を踏まえつつも、現実的な最善の行動を求めていくのが、計画のあり方となる。


分野的広がり

理念型
 社会の諸課題に対応する計画の範疇は、本来あらゆる分野を含むこととなろう。しかし、現実的には、政策領域として、一定の範囲が想定される。
 理念的な政策領域の範囲としては、まず、最小の領域として、公的扶助、社会福祉、社会保障、公衆衛生・医療を含んだ社会保障政策としての計画の領域がある。
 これに次いで、健康、労働、教育、所得・消費、住宅、物的環境の人的・物的資源にまで範囲を拡大した社会政策政策としての社会部門計画の領域があろう。
 さらに、経済政策の領域と統合した、社会経済政策の計画領域が設定される。
 さらに、豊かな社会の諸課題への対応としては、余暇、文化、価値観・意識等の文化的資源及び家族、コミュニティ、階層・社会移動等の関係的資源までを包含する総合社会政策としての計画領域が想定される。

 ⇒参考 『総合社会政策を求めて 第2章』




 現実の社会では、国段階の総合政策としては、国土計画及び経済計画があるが、国家目標の曖昧化の中で、政策を先導する役割を果たせなくなってきている。
 また、これらの計画に準拠しつつ各分野の五カ年計画等が並んでいる。しかし、上位計画によって十分な総合調整が果たされているかには課題があろう。

 なお、国家段階の総合的な計画・政策指針については、かつて1970年代の後半に各政党によって多々提唱された。しかし、総合的な方策の提唱が困難となり、現在は見られない。


地方
 一方、都道府県等の地域にあっては、総合計画等と称して、総合的で包括的な施策の展開を指向している。
 地域には、知事等の指揮の下で、総合的対応が可能な環境がある。また、住民生活の現場が見えることからも総合的な施策として、提唱せざるを得ない。
 この点で、彌縫策から脱却する糸口を持っている。しかし、現実には、施策事業の列挙とそれらを繋ぐ説明に留まり、これを超えることは容易でない。
 解決すべき課題の構造的な深い理解を持ち、住民の合意を図りながら施策を展開していくには、計画策定手法・能力が充実していない。
 また、個別の施策については、国等からの予算付けが条件となることが多く、自律的な施策展開に困難がある。


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(Feb.12,2016Rev.)