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これまでの各都道府県の人口減少 ―富山県2017年でピーク比94%―
全国の人口は2008年をピークとして減少し始めた。
これを契機として人口問題がいろいろと議論されるようになってきたが、多くの道府県ではこれ以前に人口減少が始まっている。
富山県については、1996年が人口のピークであった。
ちなみに全国で最も早く減少が始まったのは秋田県で、1981年がピークであった。
ピークから2017年までの人口の変化についてみると、全国では9年間で1%の減少であるが、富山県は21年間で6%の減少となっている。(ちなみに23年間2019年で8%減と加速。)
ちなみに秋田県については36年間で20%以上減少している。
各都道府県の人口の推移を見ると、2017年時点でまだ減少が始まっていないのは、東京を中心とした1都3県と愛知、福岡、沖縄の3県にとどまっている。
ちなみに大阪は2010年をピークとして減少が始まっている。
人口減少の要因としては、高齢化による死亡数の増加、再生産年齢人口(出産期の人口)の減少・合計特殊出生率(一人当たり出生数)の低下による出生数の減少、そして東京一極集中による人口流出がある。実際には、これらの動向が重なり合って多くの道府県で人口の減少がもたらされている。
人口減少道府県については1980年代にピークがあるグループ、次いで概ね1990年代後半から2000ゼロ年代前半にピークがあるグループ、それ以降にピークがあるグループに分けられそうである。
1990年以前のピークは、バブル経済期の東京一極集中による人口流出の影響が相対的に大きかったのであろう。
2000年前後のピークは、団塊の世代が再生産年齢期を超え出生数の一層の減少が進んだ影響が相対的に大きかったのであろう。
それ以降は、東京一極集中が再び進んでいる。
人口は今後さらに減少することが確実で、これを抑制するための多様な策が講じられている。
一方で、現実に人口規模が縮小する社会への対応策が必要なのだが、人口減少を認める政策は忌避されているのではなかろうか。
住宅の過剰(空き家の増加)は既にかなり目立ってきているが、消費税の引き上げを契機として住宅建設を盛り上げるための施策が強調されている。
自動車交通はまもなく減少し始めることが確実であるが、道路整備はさらに継続されており、多くの道路が極端に空き始めるだろう。
コンパクトシティ形成の方向は的を得ているが、都市の外延にスプロールをもたらす土地利用を許容し続けている。
また、過疎対策としていろいろな施策が検討されているが、これも限界を覚悟していく必要があるのではなかろうか。
いずれにしろ、人口減少の現実を受け入れた社会の形成をしっかりと議論し、対応していくことへの取り組みが極めて遅れている。
(統計データ)
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(Oct.26,2018)
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