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第4章 堅実な生活
第4節 学び続ける暮らし
第1項 教え育てる

1.児童・生徒数
―順次減少していく児童・生徒数―

(1) 児童生徒数の推移
(2) 教員当たり児童生徒数の推移
(3) 教員の年齢構成

 出生児数が幻の第3次団塊世代における横ばいから減少へと転換し、現在学齢期を通過しつつあるため、教員数、そして児童生徒一人当たり教員数が調整されている。実際には、現在の教員の年齢構成が極めて歪な分布となっているため、富山県などでは、教員の新規採用を増やしている。



(1) 児童生徒数の推移
 小学校児童数は、10年近くの横ばいの後、2009年から再び減少し始めている。
 中学、高校の生徒数は、それぞれ小学校に倣って横ばいが続き、中学で2012年から、高校で2015年から生徒数が減少し始めている。
 さらに、2018年から大学進学期の人口が減少し始めた。

 なお、小中一貫の義務教育学校が2016年に制度化された。以下の記述では、この児童・生徒・教員数は算入していない。
 ちなみに、現在、富山県では、国吉義務教育学校(高岡)、西の杜学園(氷見)、南砺つばき学舎(南砺)がある。



(2) 教員当たり児童生徒数の推移
小学校
 小学校の児童数は、1982年に最大となり、以降急速に減少し続けている。
 ただし、平成年間に入ってから10年間以上、出生数がほぼ1万人で安定していたため、一旦安定期があり、2009年以降再び減少している。
 今世紀に入って教員は横ばいで推移しており、教員一人当たり児童数は横ばいから減少へと転じてきている。



 富山県の教員一人当たり児童数は、全国水準を下回って推移してきていた。教員の横ばいの期間に全国平均とほぼ同じとなったが、現在再びかなり下回ってきている。

 なお、富山県の小学校では、校長・教頭先生の女性の比率が極めて高いことが特色となっている。
 ⇒校長等の女性比率


中学校
 中学校の教員数は、1990年代の後半から削減がされたが、生徒数ほどには減少せず、教員一人当たり生徒数は、大きく縮小してきてきた。
 その後2000ゼロ年代半ばより教員数を緩やかに増やしており、現在は教員一人当たり生徒数は、緩やかに減少している。



 富山県の中学での教員一人当たり生徒数を全国と比較すると、かつては、全国水準より大きめで推移していたが、現在は、概ね重なってきている。


高校
 高校の生徒数は、1990年に最大となり、以降急速に減少し続け、'00年代末に一旦横這いとなり始めた。
 教員数は、1990年代の後半から削減がされており、現在教員一人当たり生徒数は概ね横ばいとなっている。


 富山県の高校での教員一人当たり生徒数を全国と比較すると、全国水準より低い水準で推移している。


 以上のように児童・生徒数の急速な減少の中で、教員一人当たり児童・生徒数の縮小が順次進めら、教員数の減少は、児童・生徒の減少に比して、緩やかなものに留められている。
 なお、このような変動の中で、教員の年齢構成に歪が生じていることに留意しておく必要があろう。

 以上のような変動に伴って、クラス数の変更や学校の統廃合など、着実に進めていくべき課題が生じている。


(3) 教員の年齢構成
 2019年度の公立小学校教員の年齢別構成を見ると、富山県では、50歳代のピークに加え、20歳代にもピークがあり、30、40歳代が大きく窪んでいる。
 これは、団塊ジュニアの学齢期に対応して採用した教員が50歳代から退職期にあり、その補充として現在採用を増やしているためである。
 しかし、このパータンは都道府県によってかなり差が見られる。例えば福井県では50歳代のピークはあるが、後はなだらかで、20歳代のピークは見られない。また、石川県については、30歳代半で穏やかなピークを形成している。
 これらの県に比して、富山の分布は30歳に鋭いピークを持ちかなり歪となっている。各県、学齢期の子供の変動、教員採用の経緯等いろいろな事情があったのであろうが、相対的には採用計画の手際が良くなかったと言えそうである。


 公立中学校教員の年齢別分布も小学校に似たものとなっているが、当然ではあるが小学校に比較して、波が遅れている。


 公立高校教員の年齢別構成については、今後退職者のピークを迎え、20歳代に新たなピークを形成していくこととなるのであろう。
 なお、40歳前後に大きーなピークのある地域がかなりあるが、この背景には何があったのだろうか。



(統計データ)

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(Jul.31,2022Rev.)