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生活保護率の決定要因 ―生活相互支援と経済環境―
生活保護率が高いのは、大都市地域とともに西日本及び北海道等の経済環境の厳しい地域であり、逆に低いのは、北陸、東海などの経済環境が相対的には良好な地域であり、世帯規模が大きく互いに支え合っていると考えられる地域でもある。
| 生活 保護率 | 完全 失業率 | 世帯 規模 | 高齢化 比率 | 持ち家 率 | DID 人口 比率 | 社会 心理的 障壁 |
生活保護率(千人当たり) | 1.000 |
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経済的環境 | 完全失業率 | 0.721 | 1.000 |
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生活支援 | 世帯規模 | -0.745 | -0.391 | 1.000 |
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経済的弱者 | 高齢化比率 | -0.133 | -0.378 | 0.159 | 1.000 |
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生活費 | 持ち家率 | -0.670 | -0.578 | 0.711 | 0.640 | 1.000 |
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都市的環境 | DID人口比率 | 0.537 | 0.548 | -0.585 | -0.660 | -0.753 | 1.000 |
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歴史的経緯 | 社会心理的障壁 | 0.421 | 0.285 | -0.309 | -0.060 | -0.329 | 0.240 | 1.000 |
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| 生活保護率と高い相関がある |
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| 被説明変数との高い相関 |
生活保護率=53.2+6.35*失業率-23.3*世帯規模 補正R2=0.76 |
都道府県の生活保護率の決定要因として、経済環境、生活支援体制、経済的弱者の多寡、必要生活費、都市的環境、歴史的経緯などが考えられる。
表は、それぞれの状況を表す統計指標を整理し、その指標相互の相関係数を求めたものである。
なお、歴史的経緯としての社会心理的障壁とは、かつて炭鉱がありその終焉から生活保護が突出することとなった北海道、福岡にダミー変数の1を付しているものである。かなり恣意的であるが、両地域が高い説明要因には間違いないであろう。
生活保護率と相関の高い変数としては、まず、生活を相互に支援する機能を持つ世帯規模と経済環境を示す失業率があげられる。
生活費を左右する持ち家率、都市的環境を表すDID人口比率は、生活保護率とある程度相関を持つが、同時に世帯規模とも相関を持ちこの分析では分離することができない。
経済的弱者の多寡を表す高齢化比率については、生活保護率自体との相関は低いが、他の要因を除いた後の偏相関はある程度あり、追加的な説明変数になる(ここでは省略)。
社会心理的障壁のダミー変数も、恣意的ではあるが、追加的説明要因となる(ここでは省略)。
(統計データ)
ジニ係数と生活保護率は高い相関を持っている。ただし、完全失業率や世帯規模等との相関もあり、これらがジニ係数の説明要因となっているとも捉えられる。
| 保護率 | 完全 失業率 | 1世帯 当たり 人員 | ジニ 係数 |
保護率 | 1 |
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完全 失業率 | 0.721 | 1 |
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1世帯 当たり 人員 | -0.745 | -0.391 | 1 |
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ジニ 係数 | 0.754 | 0.582 | -0.574 | 1 |
(Sep.09,2018Add)
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(Dec.11,2017)
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