民族全史

「宇山卓栄著『世界「民族」全史』を読んだ。
 地域毎のYDNAハプログループの分布を軸に民族の系譜を説明している。全世界を網羅して記述しており極めて興味深い内容となっている。
 類書としては「篠田謙一著『日本人になった祖先たち』NHK出版2019年」があるが、こちらは主としてミトコンドリアDNAハプログループによって解説している。

 両書とWebサイトの情報を利用すると、日本人の系譜もかなり見えてくる。
 日本人に多いYDNAハプログループの型をかなり大胆に整理すれば次のようになろう。
 C;契丹等と関係しトルコと繋がる。・・・弥生か?
 D;チベットと繋がる。
 N;遼河文明を起源としウラル系としてマジャール人等にも繋がる。・・・縄文か?
 O1;揚子江流域に広がる。
 O2;黄河流域に広がる。・・・古墳(従来の渡来人)か?

 これらの民族が日本に流入し交雑したのが現在の日本人であろう。
 この交雑の程度は、長い年月を経た流入・その後の増加が関係しており、定かには分からない。

 世界全体を見ても、多くの民族は複雑に交雑している。
 ただし、民族の区別については、言語、文字、宗教そして権力構造等が大きな意味を持っており、遺伝的背景は、人々の集団を説明するために、意図的に利用さているのではなかろうか。

Apr.14,2025

目次に戻る