フェアレスシティの可能性

 「岸本聡子著『地域主義という希望』大月書店2023年」を読んだ。
 著者は、NGOのトランスナショナル研究所(TNT)で国境を越えてミュニシパリズムを結びつける活動をしてきた。本書は、世界各地で起こっているフェアレスシティによるミュニシパリズムの解説書である。各フェアレスシティのいきさつから、かつて民営化した水道等の再公営化等の話題が中心にあるが、環境問題、格差問題等々の世界の喫緊の課題にも言及している。特に環境問題については、最早10年の余裕もないことを明確に意識している。
 ちなみに、著者は2022年に多様な地域活動組織の支持を受けて、杉並区長となっている。

 環境問題、格差問題等々、喫緊の課題への日本の対応は絶望的である。政治的なリーダーもいず、一人ひとりがどう行動すればいいのか、全く見当がつかない状況に陥っている。
 既に刻限を超えてしまい絶望的な将来が見えているとしても、フェアレスシティの動きは、多少は行動できる可能性を見せてくれる。

 残念ながら、自分自身がどう行動を起こすか、イメージが湧いてこない。地域でミュニシパリズムの活動が起これば、参加したいと消極的に考えるにとどまっている。

May.08,2024

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