2014年3月 2014.3.14.fri

平成25年度富山市一般会計歳入歳出補正予算 反対討論

 ただいま議題となっております議案第54号 平成25年度富山市一般会計歳入歳出補正予算について、日本共産党の反対討論をおこないます。

 4月からは、8兆円にも上る、史上空前の消費税大増税が待っています。この時期に、国の「経済対策」のための補正予算は、地域経済に光が差し、中小零細事業者にも、体力をつける有効な使い方をしなければなりません。
 同時にそれは、市民の切実な要望に応え、安全安心な暮らしのための喜ばれるものであるべきは当然のことであります。
 今回の補正予算は総額83億5398万7千円、そのうち国の「経済対策の補正予算にともなうものが、61億2337万7千円です。
 そのうち、おもな事業、側溝や歩道のリフレッシュや生活道路の整備、道路・橋梁・維持補修工事、トンネル等詳細点検、河川水路の整備や火防水路改良、漁港の機能の延命など、学校建設費や公営住宅改修および耐震補強などにこの補正予算を活用することは、歓迎するものですが、19億251万4千円の、西町南地区市街地再開発事業の補助金増額に反対です。
 補正により、補助金額は54億450万円になります。
 この補正を含めた、総事業費は約183億円、そのうち補助金は56億8800万円、ガラス美術館と図書館あわせた「公益施設のための保留床取得額は85億5千万円で、再開発ビルの税金投入額は総額で142億3800万円にも上る巨大事業です。
 地上10階地下1階建てで現在工事が進められていますが、保留床の面積や、補助金額も、本来、もっと圧縮できる可能性があるのではないか、ということが考えられます。
 それは、ガラス美術館最上階の6階に約700㎡の「グラスアートガーデン」の部分です。
 3月3日、市長は定例記者会見において、この「グラスアートガーデン」のインスタレーション(空間芸術)の制作を、アメリカ在住の著名なガラス作家、デイル・チフーリ氏に依頼し、「かなり大掛かりなものになる」と発表されました。
 この唐突な発表について、みなさん疑問はありませんか?
 11日の私の一般質問に、市長から「世界に発信力」「現代ガラスのシンボル的なものが必要」などの答弁がありました。
 富山のいいもの、時間をかけて大切に育ててきた人やものを活かし、発展させることでは「もの足りない と、海外から有名な作家を呼んで大掛かりな作品を作り「シンボル」にして、というのは、まさに、芸術文化の「呼び込み方式」です。
市民のだれが、そんなことを求めているでしょうか。
制作費用も、どんな空間にしたいのかも、制作方法も、制作期間も、なにもかも「わからない」「これからの作家との交渉による」とのことであります。
経緯を遡ると、先に700㎡の「グラスアートガーデン」をつくる設計で再開発がすすめられてきた、あとから、手がけるアーティストをだれにするか、国内外の作家の数人から検討して、その広い空間芸術を手がけられる作家と言えばやっぱりチフーリ氏しかいない、となったとのことです。先にハコをつくって、あとから中身を考える。こういうやり方、決め方も、本末転倒です。
再開発ビルとして、この部分及び建設費用、補助金額は、圧縮できる可能性があったということになります。 いまからでも、いったんストップをして、広く市民の意見を聞き、公開で議論して、設計や資金計画も変更を行い、事業費圧縮するべきです。
議員のみなさん。
猛暑の夏にクーラーのない教室で、授業をする子どもたちに快適を!
ぎゅうぎゅう詰めの学校で、イライラ我慢をしなくても、子どもたちに、のびのび学び運動できる環境を!
いつ、突然、天井裏の腐食した水道管から水漏れするかもしれない不安を抱えた市営住宅にお住まいの高齢者に安心を!
「経済対策」の予算は、住民福祉の向上に真っ先に、そのことによって、地元の中小零細事業者にまで、仕事とお金が回り活気が出るよう使われるべきだ、みなさん、そう思いませんか。
19億円は、たとえば全小中学校普通教室のクーラー設置に必要な費用25億円と単純に比較すれば、76%に当たります。
それよりも、この豪華で大掛かりな再開発がいま何よりも必要で優先だと、みなさんは市民に説明ができますか。
歯止めになるのは、私たち、議会しかありません。
みなさん、立場を越えて、この予算を、正そうではありませんか!
以上、日本共産党の反対討論といたします。

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