簡単ですよ、100年経った家を壊してみればいい。 法規はたった今のことだけをいう。新築ばかり見てたんじゃだめだ。」 「リカちゃんハウスが美しいという人に、 木組みや長い軒の出のプロポーションの美しさを言っても分からん。 私が建てたいのは、時間が経っても変わらん美しさです。」 「昔は、古材を使うのは当たり前の事だった。磨けば光る。古材は宝物です。」 |
大工の木組み |
写真右は1650gの椅子で、指一本で持ち上げることができる。 これで大工の木組みを知ってもらいたい。 この椅子は110sの人間が座っても大丈夫だ。 座るとクネクネすることはあるけど、ポッキッとはいかない。 コミセンのかわりに差してあるピンは民家で100年いぶされた煤竹の 外側からつくったもので、丈夫な燻製状態になっている。 もし、これを釘や金物、筋違いで止めるか、 接着剤で固めると、必ず折れる。動かんから。 だけどホゾを差し、深さ5分の大入れをつくり、組んでいるので 110sの体重を支えられる。木を選び、木の目をみて組めば 丈夫なものだ。ちなみにこの木は夏椿である。 |
住宅を建てるときに、強度計算を行うために作った模型。 右はその住宅の牛梁を大鋸で刻んでいるところだ。 強度計算をした結果、直すところは何もないということだった。 勘の方が計算より強いということ。「棟梁の勘て、すごいね」と言われた。 勘がすごいのでなく、長年の経験の蓄積がこういうことになっているだけ。 木の使い方は経験の中でしか会得できないものだ。 欅の大黒柱に思いを込めて、墨を付ける。 |