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第4章 堅実な生活
第4節 学び続ける暮らし
第2項 知識を得る
1.進路 ―大学等進学率の頭打ち―
我が国では、20世紀末から大学等(短大を含む)進学率が10%ポイント以上上昇した。富山県の進学率はこれに先駆けて上昇し、1990年代には都道府県の中でも特に進学率の高い県となった。現在は、減少気味に推移しており、その水準も全国平均に近くなっている。
(1) 進路の変化
高校卒業者の進路は、大学・短大への進学、専修学校等職業教育訓練組織への進学、就職、進路未定者等(家事手伝い、進学・就職浪人など)に分けられる。
これらそれぞれに進む卒業生の人数の変化については、卒業生総数の変化、大学等の収容定員の変化、進学希望の趨勢的変化、さらには景気動向などによって決まってきていると考えられる。なお、以下のデータには、過年度卒業生の大学入学等は含まれない。
富山県での高卒者の進路の変化を比率で見ると、大学等進学者率については、1990年代以降に増加し、2010頃にピークとなりその後若干減少し50%強となっている。
専修学校等へ進んだ者の比率は、概ね1990年頃まで増加していたが、その後横ばいで推移し、2000ゼロ年代後半に至り、5%以上低下し、25%程度となっている。
就職者率については、1980年代半ばから大きく減少してきたが、2000ゼロ年代以降は20%程度で概ね横ばいとなっている。
進学率の推移については、富山県では1980年代半ばから全国に先駆け推移し、都道府県の中でも特に高くなったが、減少に転じており、全国と同水準となっている。
専修学校等の職業教育訓練施設へ進んだ者については、かつては地域間の格差がかなり大きかった。
1980年代後半の高校卒業者の減少以降は横ばいで推移していたが、2000ゼロ年代の初めから急速に低下し、都道府県間の散らばりも縮小している。
この変化は、大学等がその卒業者の就職について強く配慮し始めたためであろうか。
高校卒業者の就職率の推移については、富山県について述べたとおりであるが、富山県はほぼ全国と同水準で推移してきている。また、地域間で最大20数%の大きな差がある。
(2) 進路の構成
各都道府県の高校卒業者の進路を大学等進学、専修学校等、就職(家事・未定を含む)に分けてその位置付けを見ると、概ね進学と就職の軸に沿って広がっている。これは大都市圏から東北、九州等の周縁県の広がりである。
また、一部の道県において専修学校等が特に大きくなっている。これはそれぞれの道県でのこれまでの施策・事業展開の結果であり、地域性と呼べるものであろう。
都道府県の進路未定率については、モラトリアムを許容する大都市圏と就職先が乏しい沖縄・北海道などで特に高くなっていると言えそうである。
今後、高校卒業者数が減少し始めた時、大学・短大の定員数が過剰になり、募集努力を一層進めるであろう。こうした中で、大学等進学率は再び上昇するのであろうか。大学等の評価が変わってしまっており、また経済的負担もあり、全国平均で50%強の水準は変化しないのではなかろうか。
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(Aug.25,2017Rev.)
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