関連項目に戻る

自殺率の低下

 これまで富山県の自殺率は都道府県の中では概して高い位置で推移していたが、2023年から全国平均程度までに低下した。

 2024年の富山県の自殺率(警察庁速報)は16.3人/十万人で、都道府県の中では25番目の位置にあった。
 自殺率の経年変化を見ると、これまで富山県はかなり高い位置で推移している。都道府県の中で2020年には2番目、2022年には9番目となっていた。しかし、2023年には31番目、2024年には25番目と全国平均程度となった。

 ちなみに、2020年からの都道府県全体の増加は、コロナ禍での予期できない失業の増加などの影響が出ているものと見られる。なお、バブル経済崩壊後の'90s後半でも同様の急増加があった。


 都道府県毎の自殺率の分布については、北海道・東北地方で高く、九州・四国の南海部等(宮崎県・高知県・山口県)で若干高く、本州中央部で低い比較的明確な分布となっている。こうした中で富山県はこれまで新潟県と並んで東北的な位置にあったが、現在石川県・福井県に近い位置に変わったと言えよう。



 以下は、厚生省資料による。
 性別にみると、2020年の男は、全国で横ばいであったが、富山では急増している。
 2020年の女は、全国でも増加し、富山も一層増加している。


 性別年齢階層別では、富山だけの統計では規模が小さく、不規則変動が目立ち傾向ははっきりしない。

 しかし、全体としては年齢が上がるほど増加する傾向がある。
 さらに男では、これに加えて、人生の転換期である退職期前の50歳代にピークが見られる。
 また、2020年では、就職で社会に出る20歳代でも高くなっている。


 女については、加齢に伴う増加以外にはっきりしたピークは見られない。
 しかし、2020年の全国では20歳代で増加している。これはコロナ禍かもしれない。
 これに対して、2020年の富山は全年齢層で緩やかに増加し、とくに70歳以上層での増加も目立つ。


(統計データ)

関連項目に戻る

(Jan.30,2024Rev.)