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がんによる死亡率の推移 ―高齢化による死亡率の増加―
がんの死亡者数の総人口に対する比率(がん死亡率)は、漸増しているが、これは人口の高齢化によるものであ
富山県2021年の人口10万人当たりがん死亡者数は、男女それぞれ415人・288人であった。
都道府県の中では平均値より高いが、それぞれの年齢構成の違いが背景にあり、単純な比較はできない。
ちなみにがん死亡率の年齢階層別変化を見ると、40歳代半ばから増加し始め、男は50歳代半ば以降、女は60歳代半ば以降一層急激に増加する。
このため、総人口に対するがん死亡率は、人口の年齢構成の違いに大きく左右されることは明らかである。
死亡率の経年比較、地域間比較では年齢構成の違いを配慮する必要があり、年齢調整死亡率として、性別に年齢構成を一定とした構成比と当該年当該地域の性別年齢別死亡率との積和から全体の死亡率を求める。以下では1985年の日本全体の75歳未満の人口モデルが利用されている。このため経年推移、地域間の差異については検討できるが、各死亡率の絶対値は人口モデルによって左右していることに留意が必要である。
がんによる死亡率(年齢調整値)は着実に低下している。
特に、死亡の太宗を占める、胃がんの低下が大きく、肺がん、肝臓がん、大腸がんの低下も大きい。
こうした変化は、生活習慣(喫煙等)、生活環境(細菌感染等)の変化、治療方法の進歩によるものであろう。
ただし、膵臓がんについては、横這いで推移している。これは、発見が難しいためであろう。
女性についても男性と同様の変化が見られる。
しかし、現在、もっとも大きな死亡率となっている乳がんについては、横這い気味の推移となっている。出産の経験がないと乳がんに罹りやすいとされ、出産の減少が罹患の増加につながっているためであろうか。
都道府県毎の全部位についてのがんによる死亡率の推移を見ると、統計上の限界から年々の変動が大きいが、富山での死亡率は、概ね全国平均を下回っているといえよう。
胃がんについては、全国平均を上回って推移してきているが、近年は全国平均になっているようにも見える。
ちなみに、がん検診の受診率を見ると、富山県はいずれの検診についても全国平均を上回っている。
ただし、統計上の限界もあり、都道府県毎のこの受診率と死亡率の相関は見られない。
(統計データ)
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(Jan.21,2003)
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