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粗死亡率と年齢調整死亡 ―高齢化の割には低めの死亡率―
人口動態統計の統計数値を都道府県間で比較する場合には、各都道府県の人口の属性別構成の違いに留意する必要があり、この違いを補正した統計量を工夫して比較しなければならない。
富山県の男の2015年の粗死亡率(死亡者数/総人口)は1263人/10万人であり、都道府県の中では、高い方から16番目であった。
また、富山県の女の2015年の粗死亡率は1129人/10万人であり、都道府県の中では、高い方から21番目であった。
高齢者ほど死亡率が高いため、各地域の死亡者数はその高齢化の度合いに関連している。
仮に高齢化比率(65歳以上人口比率)と粗死亡率の相関(決定係数ベース)を求めると、男で0.825、女で0.887とかなり高くなる。
富山県の高齢化比率は、男26.8%で12番目、女34.0%7番目であり、粗死亡率はこの順位よりは低く、高齢化の割には死亡率が低いと言えよう。
都道府県間の死亡率を全体として比較するには、年齢調整死亡率を用いる必要がある。ここでは、2015年の都道府県毎の各年齢別死亡率を全国の各年齢別の人口の構成比で加重平均して求めてある。
この年齢調整死亡率は、富山県の男で494人/10万人人であり、都道府県の中では、高い方から20番目となっている。
また、富山県の女の年齢調整死亡率は、247人/万人であり、都道府県の中では、高い方から33番目となっている。
年齢調整死亡率は特定の年齢構成を用いて計算する統計量であり、必ずしも直感的に分かる統計量ではない。
これに対して、死亡率から平均寿命を算出し地域の健康度を把握することができる。ただし、死亡率は暦上の年間で区切った統計であり、各人の平均寿命は誕生日からの期間を基礎とした統計であるため、換算はやや煩雑であり、さらに詳細な統計を用いる必要がある。ちなみに都道府県の平均寿命(2010年)については、厚生労働省から「生命表」として発表されている。
都道府県毎の年齢調整死亡率と平均寿命の相関を求めると、当然ではあるが、男で0.915、女で0.852と高い。
また、富山県の平均寿命は、男が79.7歳で上から17番目、女が86.8歳で上から10番目である。
(統計データ)
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(Jun.18,2017Rev.)
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