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公的年金加入状況
─際立つ雇用者保険への加入─

 公的年金への加入状況を都道府県毎に見ると、富山県は加入者の構成では第2号被保険者(雇用者保険本人)の比率が高く、また非加入者の比率は低い。これは、就業者の状況から見てある程度予想されることである。
 さらに、このような状況が長年続いた結果、現在の高齢者の所得(年金収入)は相対的に大きい。

 「公的年金加入状況調査」により働く世代(20〜59歳)の公的年金の保険の構成を見ると、北陸3県を含む日本海沿岸の県で雇用者保険(第2号)の比率が高い。
 ちなみに第1号が高いのは沖縄、高知などの相対的に第一次産業の比率が高い県、第3号が高いのは大都市圏の中心を除いた専業主婦が多いとみられる居住県である。


 また、公的年金の非加入者の状況については、ある程度の地域差があるが、ほぼ1%以下である。非加入者個人としては問題があるが、地域全体の様相に影響与える程度ではない。
 なお、本調査は抽出調査であり、結果は千人単位で表されている。富山県の非加入者は1千人で、総人数50万人の0.2%という内容であり、都道府県の中での位置付けを検討できる統計となっていない。実際に調査年によって値が大きく変わっているようだ。

(統計データ)

 後期高齢者の所得を示す統計として、年金を直接扱ったものではないが、「後期高齢者医療制度被保険者実態調査」で、都道府県別に所得階層別被保険者数が集計されている。ただし、この所得は保険料算定基準のため各種控除を差し引いた後の額で、所得無しの階層の人は年金額が120万円以下であることを意味している。この所得無しの人の割合は、全国の51.3%に対して、富山県では46.7%で、都道府県の中では、福井県、東京都に次いで低い。
 所得無しの人は、主として国民年金を受け取っている人であり、富山県等では、厚生年金等を受け取っている人が相対的に多いこととなる。つまり、現役時代にそれなりの企業に勤め続けてきた人達が多いと予想される。


 さらに、所得のある人の階層別分布を見ると、富山県では50万円以上100万円未満がピークとなっており、多くの県でもこの階層が最も多い。ちなみに、ピークが100万円以上150万円未満の地域は、1都3県と茨城県、愛知県、和歌山県を除く近畿5府県の大都市圏にある11都府県である。また、これ以上の高額所得層の構成比が相対的に大きいのもこれらの都府県である。
 このことから、富山県の後期高齢者は、大都市圏に次ぎ所得が大きいと予想される。

(統計データ)

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(Feb.12,2022Rev.)