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生活保護の捕捉率 ―6.5%の捕捉率―
山形大学人文学部法経政策学科戸室健作氏は、独立行政法人統計センターのオーダーメード集計を活用することによって、『被保護者調査』から地域別世帯規模別最低生活費、『就業構造基本調査』から所得階層別世帯数を計算し、貧困世帯数を算出することによって、実際の生活保護世帯数と比較し生活保護の捕捉率を推定している。
戸室氏は、地域間の捕捉率の差異については他者の発言を引用し、
・若い労働者が都会に出てしまい中高年齢者が残った地域では地縁・血縁という世間体第一の古いコミュニティのなかで生きており、生活保護を申請するには余程の勇気が必要であること。
・生活保護制度の問題として、自治体間における財政力の違いがあること。
・地域における住民運動の影響力の大きさ(民主主義についての意識の高さ)に差があること。
などを挙げている。
ただし、捕捉率の地域間格差の原因については、より詳しい研究が求められ今後の課題としたいとしている。
文献;山形大学人文学部法経政策学科 戸室健作(2016.3)「都道府県別の貧困率、ワーキングプア率、子どもの貧困率、捕捉率の検討」『山形大学人文学部研究年報第13号(2016.3)33−53』
これによると、富山県の生活保護の捕捉率(2012年)は、6.5%で都道府県の中で最も低くなっている。ちなみに最も高いのは大阪府で34.2%である。
富山県の捕捉率がこのように低いことについては、実感が持てない。
地元の行政の発表やマスコミ報道でも聞いたことがないが本当であろうか。
いずれにしろ、看過できない指摘であり、関係者により実体が明らかにされることを望みたい。
(統計データ)
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(Dec.29,2016)
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