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就業構造基本調査による説明
―シンボリックアナリストの増加―

(1) 最近年の変化
(2) 長期的な変化
(3) 2007年から2012年の変化


(1) 最近年の変化
 2012年から2017年の職業大分類別就業者数の変化を見ると、増加している事務、専門技術、管理は大雑把に捉えればいずれもシンボリックアナリストのグループに属している。ただし専門技術には高齢社会の中で増加している医療・福祉の専門職が含まれている。また、運搬清掃包装等も増加しているがこれは相対的に高齢者の就業が多い職業である。
 一方、減少している生産工程・輸送機械運転・農林業・建設採掘及びサービス・販売は、大雑把に捉えればそれぞれマニュアルワーカー、インパーソナルワーカーのグループに属している。
 以上のような変化は、情報通信技術の浸透が進む経済活動の流れの中での長期的な趨勢と捉えることができよう。





(2) 長期的な変化
 職業別就業者数の長期的推移は右図のとおり。
 なお、2007年に職業分類の変更があった。


 かなり無理があるが職業をシンボリックアナリスト(専門・技術、管理、事務)、インパーソナルワーカー(販売、サービス、保安)、マニュアルワーカー(農林漁、運輸・通信、生産工程、建設、運搬・清掃等)の3つに分類して、その推移をみると、マニュアルワーカーの漸減 シンボリックアナリスト漸増 インパーソナル横這いないし微増が見られる。
 これは、産業構造の長期的変化についてのペティ・クラークの法則に対して、職業構造の長期的変化についてのライッシュの法則と呼ぶことができるかもしれない。
 ただし、人口、就業者総数の減少があり、インパーソナルワーカーの横這いはこれが大きく影響しているかもしれない。
 ところで、モノづくり産業を核とした富山県の職業構造は生産工程従事者が多いが、今後どのように変化していくのだろうか。それなりの展望が求められるところであろう。


(統計データ)

(Sep.18,2019)


(3) 2007年から2012年の変化
 2007年から2012年までの富山県の有業者の職業中分類での変化については、生産工程・建設土木作業・商品販売従事者、及び管理的職業従事者で大きく減少している。
 他方、専門的・技術的職業従事者での保健医療・社会福祉、サービス職業従事者での介護・保健医療、接客、及び保安職業従事者が特に伸びている。


 全国の変化も富山県と類似したものとなっているが、専門的・技術的職業従事者の技術も伸びていることが特に異なる。


 この統計のみで十分に説明できる訳でないが、製造工程従事者については、経済活動の低迷とグローバル化の中で人員削減が図られており、建設土木作業従事者については、公共事業の削減が影響しており、商品販売従事者については、人口の減少と業態の変化が背景にあり、さらに管理的職業従事者については、団塊の世代の退職と企業組織の再編があると考えられ、いずれの場合にあっても、より生産性の高い仕事が求められているといえよう。
 他方、人口の高齢化の中で、専門的・技術的職業従事者の保健医療・社会福祉、サービス職業従事者の介護が 伸びているが、就業環境の厳しいことはいうまでもない。

(統計データ)

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(Feb.22,2019Rev.)