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介護産業コンプレックス
―富山型福祉の新展開―

 高齢者の増加により介護を求める人が増える中で、社会保障費の急増を抑えるために、費用の嵩む入所型介護施設利用の抑制が図られている。こうした施策は全国の制度の中で行われており、富山県にあっても同様の方向が求められている。
 しかし、富山の介護保険の利用は他地域に比して、入所施設、特に療養施設の利用が多く、より厳しい状況にある。このため単に、介護施設を縮小させるのでなく、介護を他地域から受託する方向に展開することも模索してもよいのではなかろうか。これは県民が働き所得を得る場の充実にもつながる。
 このためには、優れた介護事業の展開が必要であり、関係者・県民が協働してその水準の向上を図っていく必要がある。
 具体的には、介護機関は、それぞれが持つ多様情報を共有し、根拠のある介護、見識のある経営に努め、多様な課題を積極的に解決し、その運営・経営手法を質の高いものとしていくことが基本であろう。
 また、ITの積極的活用や外国人の適正な助力の利用も意味が大きいであろう。
 さらに、入所介護施設への依存を低減しようとする地域包括ケアの展開とも協働し、開かれた介護施設となっていくことも求められよう。多様な高齢者等が混ざることによって、各人の活性化も期待できる。高齢者の介護の適切な利用も容易となろう。これは富山型福祉とも通じる。

 かつてテクノポリス計画策定の際に医薬品産業を取り込みことに関係者(薬務行政担当者)からかなり強い抵抗があったが、産業としての展開を否定する必要はない。

 以上は、現場にいない小生の夢想であり、現時点では、富山にはこのような事業の展開のための資源は乏しいかもしれない。しかし、産業コンプレックスのイメージを共有して皆で展開していけないだろうか。

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(Nov.30,2016Orig.)