企業行動の規範
さらに、生産効率の向上を言わずもがなのこととすれば、株主利益指向の経営と最低限の法律遵守を求めるものとして使われる。このうち法律遵守は、ビジネス・コンプライアンスに対応するが、この言葉は企業の持続可能性を配慮し企業の節度ある行動も念頭に置くことがあるようだ。 ただし近年では、広義のコーポレートガバナンスとして、企業の社会的責任が含められることがある。 社会的責任については、社会的倫理への配慮が話題となるが、その内容・範囲はあいまいで恣意的なものとなっている。ここでは、企業活動に関連する利害関係者(ステークホルダー)を列挙し、そのどこまでを念頭におくか明確にする必要があろう。ただし、こう指摘するとすべてのステークホルダーという建前論とならざるを得ない面がある。 さらに社会的倫理を広めて捉えれば、地球温暖化への対応など幅広く社会的資源配分への配慮も含まれてくる。これも企業イメージの向上のための恣意的な使い方にとどまりがちになる。 企業経営とは、人の活動であり、人としての倫理規範を守るべきことは当然である。そして、これをしっかりと配慮すると企業の存続が危うくなるという反論がでてくる。しかし、これは、企業経営に失敗していることになるのではなかろうか。 ただし、現実には、失敗していることを自覚しつつ、経営を続けざるを得ない状況に、大多数の企業が陥っているように考えられる。 生きることの罪を論じていることになりそうだが、企業活動の在り方も原点に戻って考えておくことが求められているのではなかろうか。 関連項目に戻る (Jan.04,2015) |