人口減少への偏った対応

 2022年の我が国の出生数が80万人を割ったことが、危機観を持って語られている。
 具体的には、経済活動の維持拡大と高齢者支援が困難になっていることが主として取り上げられている。
 若い人の結婚・子育てが困難になってきていることは、即刻対応していくべきことは間違いない。また、高齢者の支援は、先を見通した工夫が避けられない。
 ところで、人口減少には好ましい側面もあることに留意が必要であろう。地球温暖化ガスの排出削減には極めて効果的である。また、今後起こる食糧危機を緩和する効果もある。
 他方、人口減少に即した施策展開を進めることが重要である。特に惰性で進められている基盤整備の根底からの見直しが、財政危機対処としても避けられない。

 いずれにしろ、長期的展望に立った総合的な政策が即刻展開されることが求められているのたが、一面的な議論が進められているだけで、実質的な施策は何も行われていないと思われる。
 仮に、限られた経済活動の成果を皆で分け合うことができれば、ある程度は余裕のある国民生活を設計することが可能ではなかろうか。

Mar.04,2023

表紙に戻る