後期高齢者の学び直し

  以下は、自分の生活を見直すもので、他のメモとは違った私的生活の随想です。

 まもなく後期高齢者となります。
 特別長生きをしたいとも思いませんが、自ら命を絶つことも考えていません。
 今後、どう生きるかとことさら考えず、手近な楽しみを見出して生きることもできるでしょう。
 今、何をしているか整理すると、
   @趣味、体力・知的能力維持として、年月をかけて学び続けている畑仕事、下手なピアノ、数独、書店への散歩、ラジオ体操・ヨガなどがあります。
   Aまた、自然科学・社会科学の学び直し、最新科学の拾い読みも楽しいことです。
   Bささやかな社会貢献として見守り隊もやっています。これは、ビスケット(微助っ人)というそうです。

 ここではA学び直しについて再考しておきたいと思います。
 実は、大学で教えることを契機に、改めて色々と勉強し人生初期に身に付けておくべき教養に触れました。
 遅ればせながら生き方を考え直すためにいろいろと学び直したいと思っています。

 私自身のこれまでの学習を振り返ると、まず大学では、社会工学科で「計画の科学」を学びました。
 この中での社会学については、T.パーソンズのAGIL図式に拘りすぎ、結果としてあまり役に立ちませんでした。また、心理学は、フロイト流のもので時代遅れになっています。経済学については、公務員試験を目指して、通り一遍の平板な学びでした。

 働く中での経験について、まず国家公務員時代は、必死になって社会科学系の学問を後追い勉強していました。しかし、J.ロールズの正義論に関して議論した際などはまったく意味が理解できませんでした。また、英語力の不足は身に染みて感じました。そして作文能力についても、恥ずかしい思いをしていました。やはり、人生の初期にしっかりといろいろな教養を身に付けておくことは大切です。
 県庁職員時代は、こうした教養不足の思いは、弛緩していたようです。情報技術については、その進化と並行して先取りして学んでいました。

 県庁勤務を終え、その後は、富山国際大学で教える立場になりました。ここでは、かえって自分自身が広範なことがらについて、新たに学ぶ必要がありました。直接的には、経営学や統計学を一層深く学ばざるを得ませんでした。また、いろいろな授業の中でより豊かな説明をするために、哲学史、社会学史等々、不足している多様な教養を補充せざるを得ませんでした。
 これらのことを基礎教養として人生初期に学んでいれば、これまでの生活姿勢がかなり異なったものとなっていたようにさえ思われます。

 大学退職後は、他事に煩わされない自由時間を得ました。
 ここで、書店で目に留まる新書等を気持ちの赴くままに読み漁ることを始めました。
 多くは書店での拾い読みですが、自分にとって興味深い新しい知識があり、時間を掛けざるを得ないものは、購入して毎日読み続けています。また、過去に取得した本の再読もかなりあります。

 現在、読み進めている分野は、まず生き方全般・諸課題の解決のため、基本として公共哲学、重ねて、環境問題に関連して正義論、格差是正問題に関連して資本主義経済、世界平和に関連して国際政治学、世界史などです。
 また、最新科学の動向も関心がもたれます。超ひも理論、多世界解釈、宇宙論、生物進化、脳科学等々わくわくして読んでいます。宇宙論、脳科学などは人の生き方を考え直す大切な知恵をもたらしてくれます。

 当面、このような生活を続けていくつもりです。
 なお、今、新たに人との繋がりを創っていくことが課題だと考えています。
 人生の終わりが近く、遺った人が困らないよう終活をしているところですが、一方で、新たな生活を開拓し続けていきたいと思っているところです。

Dec.17,2022

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